土地売却の相場の調べ方5種類を解説!注意点もチェック
こんにちは。千葉エリアの不動産会社「イエステーション」前島です。
土地の売却を検討中の方には「持っている土地の相場を知りたい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
相場を自分で調べておくことは、信頼できる不動産会社選びの判断材料となり、土地を高く売るためにも重要です。
今回のコラムでは、土地売却の相場の調べ方を徹底解説します。
相場を調べる際の注意点もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
土地売却の際に相場を調べるべき理由は?
売主自身が土地の相場を調べなければいけない理由は、不動産会社を選定する判断材料にするためです。
一般的には、不動産売却を行う際は、不動産会社に買い手を探してもらう「仲介」を依頼します。
まず物件の査定を受けて、「当社に任せてもらえばいくらで売れる」という想定の価格(査定価格)を提示してもらい、広告などで表示する「売出価格」を決める流れです。
ただし、査定方法は不動産会社独自のものであり、評価のポイントは、過去の取引事例や競合物件の価格、物件が所在するエリアの特徴、物件の立地条件などさまざまな要素があります。
あらかじめ自分で相場価格を調べておけば、査定価格と比較することで、信頼性を判断する材料にできます。
また、査定価格と相場が異なっていたとしても、「なぜ違うのか」という質問をすることで、担当者の誠実さを測ることもできるでしょう。
根拠を示して丁寧に説明してくれる相手であれば、親身にサポートをしてくれる期待が持てます。
仲介の依頼を受け、売主と媒介(仲介)契約を結んだ不動産会社は、物件の広告を出したり、内覧の接客をしたりといった販売活動、価格交渉など売買契約締結に向けた手続きも行います。
売却における不動産会社の役割はとても大きいため、売主自身がきちんと物件の価値を把握しておき、信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。
売却の流れについては、「不動産売却の流れを解説!必要書類や注意点も知ろう」にて解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
土地売却における土地価格の相場の調べ方
土地売却における相場の調べ方は、主に次の5つを利用する方法があります。
- 実勢価格
- 地価公示価格等
- 相続税評価額(路線価等)
- 固定資産税評価額
- 査定価格
価格(価額)の概要と、調べ方を解説しますね。
1.実勢価格を使った土地相場の調べ方
実勢価格とは、市場で実際に取引された価格、売主・買主が売買契約で成約した価格のことを指します。
取引時点で成立した価格であるため、「時価」「市場価格」とも言い換えられます。
知りたいのは「売ったらいくらになるか」という実勢価格の金額ですので、のちほど紹介するほかの調べ方は、ほかの価格を調査し、実勢価格にあてはめて算出する方法になります。
相場を調べる4つのステップ
実勢価格は、次の4つのステップで調べることができます。
- 国土交通省の「土地総合情報システム」トップページから「不動産取引価格情報検索」を開く
- 表示されたページの左にある検索欄から「取引時期」、不動産の「種類」、不動産の所在する「地域」を選び、「この条件で検索」をクリック
- 検索結果一覧が表示されるので、一覧の中から「取引総額(=実勢価格)」をチェック
- 相場を知りたい土地と条件が近い物件を複数選んで、取引総額の平均値を取る
2.地価公示価格等を使った土地相場の調べ方
地価公示価格等とは、一般の土地取引の指標になる価格です。
国土交通省が調査した「地価公示価格」と、都道府県が調査した「基準地価格(都道府県地価調査価格)」の2つに分かれます。
どちらの調査も、基準日において、定められた「標準地」が自由に取引された場合にいくらになるか、と判定する内容です。
地価公示価格等は市場取引の指標となる価格であるため、市場取引で成立する実勢価格は、「地価公示価格等を基本にしている(=ほぼ同じ)」と考えられます。
相場を調べる5つのステップ
地価公示価格等は、次の5つのステップで調べることができます。
- 国土交通省の「土地総合情報システム」トップページから「地価公示都道府県地価調査」をクリックして「標準値・基準値検索システム」を開く
- 表示されたページの下部にある地図より、検索したい地域・市区町村をクリック
- 検索条件の入力画面が表示されるので、条件を入れ「検索」をクリック
- 検索条件に該当する国や都道府県が調査した標準地の一覧から、相場を調べたい土地に近い標準地の「価格(円/㎡)」をチェック
- 物件に近い標準地が複数あれば平均値を取る
地価公示価格等と実勢価格はほぼ同じですので、算出した金額が相場の目安となります。
3.相続税評価額(路線価等)を使った土地相場の調べ方
相続税や贈与税などの税金を申告する際は、相続税評価額を用います。
相続税評価額は計算の対象となる財産によって評価方法が異なり、土地の場合は「路線価等」を使います。
路線価等には、「路線価」に基づく「路線価方式」と、評価倍率を乗じて評価額を算出する「倍率方式」があります。
路線価とは、路線ごとに定められた1㎡当たりの価額で、路線価図に「215D」といった「数字+アルファベット」で記載されています。
数字は1㎡当たりの価額を1,000円単位で示したもの、アルファベットは借地権割合を示しています(ただし借地権割合は相場には関係しません)。
例えば215Dであれば、1㎡当たり21万5,000円、借地権割合60%です。
路線価方式を使った相場の調べ方
まずは以下のステップで路線価を調べ、土地の評価額を算出しましょう。
- 国税庁「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」のトップページにある日本地図から都道府県を選択する
- 都道府県別の「財産評価基準書目次」から「路線価図」をクリックし、続いて市区町村・町丁名と絞り込み、町丁名の横に記載された「路線価図ページ番号」をクリック
- 路線価を調べ、土地の面積を乗算して土地の相続税評価額を算出する
(不整形地やがけ地であったり、間口(敷地が前面道路に接している幅)が狭い、奥行きが長いなどの土地は、各補正率をかけて調整します)
路線価図に「倍率地域」と記載がある場合
路線価図を開いて「倍率地域」と記載がある場合は、その地域に路線価が定められていないため、以下の倍率方式を採ります。
- 国税庁「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」のトップページにある日本地図から都道府県を選択する
- 都道府県別の「財産評価基準書目次」から「評価倍率表」を開き、市区町村・町丁名を絞り込んで倍率表を選択
- 倍率表に定められた倍率を、土地の「固定資産税評価額」に乗算し、相続税評価額を計算する
固定資産税評価額の確認方法は、のちほどご紹介しますね。
路線価等は地価公示価格等の8割程度で評価される
路線価等で算出した相続税評価額は、地価公示価格等の8割程度のため、次の式で実勢価格に換算したおおよその目安金額が計算できます。
また、実勢価格は公示地価の1.1倍程度とされており、土地の相場を予測するためにはこの計算に1.1を乗算する必要があります(ただし、あくまでも目安です)。
路線価で計算した土地の評価額÷0.8×1.1
路線価が1㎡当たり20万円の150㎡の土地であれば、計算は次の通りです。
20万円×150㎡÷0.8×1.1=4,125万円
4.固定資産税評価額を使った土地相場の調べ方
固定資産税評価額とは、固定資産税を算出する基準になる、土地や建物の評価額です。
市町村の役所(役場)から通知される固定資産税納税通知書に同封される「課税明細書」、または市役所などで発行できる「固定資産評価証明書」で確認できます。
自治体によって書式は異なりますが、土地の「価格(評価額)」が固定資産税評価額です。
課税標準額と間違えないようにご注意ください。
土地の固定資産税評価額は、地価公示価格等の7割程度を目安に評価されるので、次の計算式で実勢価格に換算したおおよその目安相場がわかります。
こちらも、実勢価格は公示地価の1.1倍程度になるため、1.1を乗算します(ただし、あくまでも目安です)。
土地の固定資産税評価額÷0.7×1.1
5.査定価格を使った土地相場の調べ方
査定価格は、不動産会社によって調査された「物件が売れると予想される金額」を指します。
上記で紹介した方法で調べた相場はもちろん、不動産会社が有している知識や経験、地域や物件の情報を参考に、総合的な調査結果をもとにして算出されるのが通常です。
複数社に査定依頼をして比較することで、より実勢価格に近い土地相場を把握することができます。
複数社に一括で査定依頼をするには、無料で利用できる一括査定サイトを活用すると手軽です。
土地売却で相場を調べるときの注意点もチェック!
土地売却で相場を調べる際の注意点として、次の4点が挙げられます。
- 実勢価格と売出価格は異なる
- 複数の情報を参考にする
- 土地買取を依頼する場合は市場相場の7割〜8割と考える
- 自分で調べた相場はあくまで目安とする
1つずつ解説します。
実勢価格と売出価格は異なる
実勢価格は売買取引時の価格であるため、不動産会社の店頭などに掲示されている物件チラシや、不動産ポータルサイトで価格を調べても良いのでは? と思う方もいらっしゃるかもしれません。
上記に掲載されている価格は「売出価格」といい、売主が「この金額で売れてほしい」という金額に設定されています。
そのため、ほとんどのケースでは、購入希望者の値下げ交渉などがあった際に応じられるよう、価格にある程度余裕を持たせています。
売出価格を相場として見てしまうと、実際に売れる価格との差が大きくなる可能性もあるため、目安に利用する場合はその点を考慮しましょう。
相場調査のコツは1つの価格に頼らないこと
自分で相場を調べる際は、ご紹介した方法の中から複数の方法を選んで調査することをおすすめします。
1つの価格に頼ってしまうと、偏りが出て、相場を正しく把握できないからです。
例えば、実勢価格では、類似物件の取引事例が少ないと平均値が取れない場合もあります。
また、地価公示価格等では、物件の所在地から標準地が離れているケースもあり、価格の参考にしづらい場合も考えられます。
さまざまな側面から相場を調べることが大切です。
土地買取を依頼する場合は市場相場の7割〜8割と考える
通常の仲介による売却ではなく、不動産会社に対して直接売却を行う「土地買取」を依頼する場合は、再販のためにかかる必要経費なども考慮するため、仲介の売却より20〜30%低い相場になります。
つまり、相場の7割〜8割で予測しなければならないため、「相場×0.7(または0.8)」で目安を出します。
ただしなかなか売れない条件の土地であれば、5割程度になるケースもあるため、事前に確認しましょう。
土地の買取は価格が安くなりますが、その分早く売却して現金化できるメリットがあります。
自分で調べた相場はあくまで目安とする
土地の価格は、土地の大きさや形、所在するエリアの特徴によって大きく変わります。
実際の売買取引においては、日当たりや風通しなど土地固有の条件が良ければ高値になり、マイナス要素があれば安くなる恐れも。
買い手との価格交渉によって、見積もった相場と異なることも多くあります。
調べた相場価格はあくまで目安にするのが良い、と知っておきましょう。
また、土地相場は数年で大きく変動する可能性もあるので、過去に調べた相場は目安に利用できないかもしれません。
相場調査をする際は、最新のデータを参考にしてくださいね。
土地が高く売れる条件については、「売れる土地と売れない土地の差は?売るための対策も解説!」にて解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
土地売却の相場の調べ方は5つ!複数の方法を参考に
土地売却の際、事前に売却相場を調べておくと、信頼できる不動産会社選びの判断材料にすることができます。
相場の調べ方は5つあり、「実勢価格」「地価公示価格等」「相続税評価額(路線価等)」「固定資産税評価額」「査定価格」といった5つの価格を利用します。
正しい相場の把握には1つの価格に頼らず、複数の結果を参考にすることが大切です。
物件チラシなどに掲載された価格は売出価格といい、成約した価格である実勢価格とは異なる点にご注意ください。
また、土地の価格は現況や土地固有の条件、買い手との価格交渉によって見積もった金額と異なるケースも多いです。
相場は最新のデータから調べ、結果はあくまでも目安として利用しましょう。
不動産の売却に悩んだときは、ぜひ不動産会社にご相談ください。
千葉エリアの不動産売却のお悩みは、「イエステーション」がサポートいたします!
多古町店 前島 亮
売却は一生に何度もあるものではございません。
より安心していただけるよう、分かりやすい資料とわかりやすい説明を心がけております。
地元になくてはならない不動産屋としてクオリティの高いサービスをご提供してまいります。