傾いた家は売却可能?売る方法や価格の相場などを詳しく!
こんにちは。千葉エリアの不動産会社「イエステーション」前島です。
「家が傾いているけれど、売却できるのだろうか?」
「傾いた家はどれくらいの価格で売れるの?」
そんな不安や疑問を抱えていませんか?
家の傾きがあると売却が難しいと思われがちですが、実際のところ、適切な方法を選べば売却自体は可能です。
ただし、傾きの程度や売却方法によって売却価格は違ってきます。
今回は「傾いた家の売却可否」から「価格相場」「売却方法」まで、詳しく解説していきます。
売却時の注意点もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

傾いた家の判断基準から確認!
家の傾きは、見た目や住み心地だけでなく、売却価格や買い手の判断に大きく影響する要素です。
では、どのくらいの傾きから「瑕疵(かし/問題・不具合)あり」とされるのでしょうか。
国土交通省が定める住宅性能表示制度(住宅品質確保促進法に基づく)では、以下のような基準を設けています。
- 3/1000未満:瑕疵がある可能性は低い
- 3/1000以上〜6/1000未満:注意が必要な範囲
- 6/1000以上:瑕疵に該当する可能性が高い
参照:国土交通省「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」
「6/1000(約0.34度)」のラインを超えると、問題ありとみなされて、査定で建物の価値が大きく下がりやすく、土地のみの価格になるケースも少なくありません。
自宅の床にスマートフォンを置いて角度を計測できる傾斜測定アプリも増えていますので、「今すぐ傾きの角度をチェックしたい」という場合は、活用してみましょう。
もしアプリ計測で傾斜角度が0.3を超えていたら、住宅診断などを受けて、専門家に詳しく調べてもらうのがおすすめです。
傾いた家を売却する場合の相場は?
傾いた家は、通常の物件に比べて価格が下がるのが一般的です。
しかし、一律いくらの値下げという目安はなく、価格下落の幅は、傾きの原因によって異なります。
傾きの原因によって、必要となる修繕の内容や費用が大きく変わってくるからです。
不同沈下など基礎の沈みが原因の場合は、300万~500万円以上の下落も
不同沈下とは、建物の下にある地盤が部分的に沈み込み、建物が傾いてしまう現象です。
こうした「地盤の問題」による傾きの場合、修繕には基礎の持ち上げや地盤改良など大規模な工事が必要で、修繕費が500万円以上かかることも珍しくありません。
そのため、売却価格も大きく下落してしまいます。
状況によっては、「建物の価値はゼロ」とみなされ、土地価格のみでの売却を提案されるケースもあるでしょう。
床や内装材のゆがみなどが原因なら、100万円以下の下落で済むことも
一方で、建物の構造や地盤には問題がなく、床材の沈みや内装材のゆがみなどが傾きの原因となっている場合は、修繕費用も抑えられる傾向にあります。
これらの補修は数十万円〜100万円以下で済むこともあり、売却時の値下げ幅も小さくて済む可能性が高いです。
ただし、自然災害や老朽化などが原因で家全体が大きく傾いている場合は、構造に関わる補修が必要となるため、修繕費用も高額になりがちです。
耐震性や安全性に対する買主の不安も大きくなり、下落幅が広がる傾向にあることにご注意ください。
傾いた家を売却する方法をご紹介

傾きのある家を売る場合、売却方法は主に以下の4つがあります。
- そのまま売る
- 修繕してから売る
- 更地にしてから売る
- 直接不動産会社に売却する(不動産買取)
それぞれにメリット・デメリットがあり、家の状態や売主の希望によって最適な方法は異なります。
どんなケースに向いているか、どんな点に注意すべきかを整理して解説しましょう。
方法①そのまま売る
傾きが軽度で、必要な修繕度合いも低いという場合は、現状のまま売却するのも一つの方法です。
修繕や解体に費用がかかりませんので、できるだけ費用や手間をかけずに売りたい方におすすめですね。
また、物件の所在エリアが新築用地として人気な(需要が高い)場合も、買い手側が解体前提の土地として購入を希望する可能性が期待できます。
ただし、傾きを理由に値下げ交渉されたり、買主が限定されるため売却期間が長引きやすかったりといったデメリットがあることに注意が必要です。
方法②修繕してから売る
売却価格を高くしたい場合は、傾きの原因を突き止め、必要な修繕を行なった上で売却する方法も選択肢となります。
特に、立地が良く、きちんと修繕すれば十分に価値が見込める物件の場合や、修繕に費用と時間をかけられる場合は向いているでしょう。
修繕すれば、買主の不安要素を減らし、通常の中古住宅として売り出せるメリットがあります。
とはいえ、修繕費用がかかる上、修繕後すぐに売却できる保証はありません。
コスト回収の見通しを慎重に立てる必要があるでしょう。
方法③更地にして売る
傾きがひどい、構造部が劣化しているなど、建物に価値が見込めない場合には、建物を解体し、土地だけを売却する方法も検討してみると良いでしょう。
解体費用や手間がかかるのはデメリットですが、買主が自由に建築計画を立てやすく、土地本来の価値で売却できるというメリットがあります。
解体費用の目安は、「空き家の解体費用の目安は?解体のメリットや費用の抑え方もチェック」で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。
なお、築年数が古く、建物の価値がほとんどないと判断されるケースでは、傾きの有無に関係なく更地にして売却する選択肢が取られることもあります。
古い家の売却について詳しく知りたい方は、下記コラムもお役立てくださいね。
古い家を売るには?売却方法や注意点、利用できる税制優遇を解説!
方法④直接不動産会社に売却する(買取)
傾いた家の売却方法として、ぜひ検討をおすすめしたいのが、不動産会社による「買取」です。
仲介で買主を探すのではなく、不動産会社がリフォームや再販を前提として物件を買い取るため、売主にとってはスピーディーかつ確実な売却が可能となります。
そのまま買い取ってもらえるので、修繕の手間も一切かかりません。
デメリットとして、買取価格が市場相場より安くなる傾向がありますが、「安くても確実に売れる」ことに重きを置くなら、有力な選択肢といえるでしょう。
買取については、「不動産を売却するとき「買取」と「仲介」はどちらがいい?」で詳しく解説しています。
実際にイエステーションでは、千葉県八街市で30年以上お住まいだったお客様から「傾きがある戸建を売却したい」とのご相談をいただきました。
現地確認の結果、建物には外観からも明らかにわかるほどの傾きがみられ、室内の窓や扉にも開閉の不具合が複数発生していました。
修繕には多額の費用がかかる上、修繕後も再発リスクが残ることから、市場での売却活動は難しいと判断し、買取という形で、スムーズにお悩みを解決しました。
▶お客様の声・不動産売却理由「住替え終えた戸建ですが、不要になったので売却したい」
このようにイエステーションでは、傾きなど不具合がある物件に対しても、丁寧な現地調査と的確な判断で、「仲介か買取か」を含め、最適な売却方法をご提案しています。
傾いた家の売却は「原因把握」と「方法選び」が重要
傾いた家でも、状況に応じた適切な方法を選べば、売却は十分可能です。
大切なのは、傾きの度合いや原因を正確に把握し、それがどの程度価格に影響するかを見極めること。
不同沈下など地盤や基礎が原因であれば、修繕費が高額になるため、売却価格も大幅に下がる可能性があります。
一方、内装や床材のゆがみなどを原因とした軽度の傾きであれば、影響は比較的少なく済むでしょう。
売却方法には「現状のまま売る」「修繕して売る」「更地にして売る」「買取に出す」といった選択肢があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
費用面や手間、リスクを比較しながら、自分にとって最適な方法を見つけましょう。
不動産売却に悩んだときは、ぜひ不動産会社にご相談ください。
千葉エリアの不動産売却のお悩みは、「イエステーション」がサポートいたします。

いすみ店 前島 亮
売却は一生に何度もあるものではございません。
より安心していただけるよう、分かりやすい資料とわかりやすい説明を心がけております。
地元になくてはならない不動産屋としてクオリティの高いサービスをご提供してまいります。