不動産売却のコツ

台風被害の家を売却する方法は?公的支援や注意点も解説!

こんにちは。千葉エリアの不動産会社「イエステーション」前島です。

 

台風によって家が大きな被害を受けてしまい、修繕費用の負担を考えると売却したいと考える方もいらっしゃるでしょう。

 

近年、日本では大型台風による被害が相次いでおり、千葉エリアでも屋根の破損や浸水被害を受けた家が少なくありません。

 

台風被害に遭った家でも売却は可能ですが、通常の売却とは異なる注意点があります。

今回は、台風被害を受けた家が利用できる公的支援や売却方法、売却時の注意点について詳しく解説します!

台風被害

 

 

台風被害に遭った家が受けられる補償や公的支援は?

台風で家が被災した場合、罹災証明書(りさいしょうめいしょ)を取得することで、さまざまな支援を受けられる可能性があります。

 

罹災証明書は、台風などの自然災害によって被害を受けたことを証明する公的な書類のこと。

申請は被災者が市町村の窓口で行い、担当者による被害状況の調査を経て発行されます。

必要書類や申請期限は市町村ごとに違いがあるため、お住まいの自治体へ問い合わせてみてください。

 

申請時には被害箇所がわかる写真の提出を求められることが一般的です。

片付けや修理を始める前に、できるだけ多くの角度から被害状況を撮影しておきましょう。

 

以下の制度・支援の多くが、罹災証明書の取得を必要としています。

 

被災者生活再建支援制度

被災者生活再建支援制度は、自然災害で住まいに深刻な被害を受けた方を対象に、都道府県が支援金を給付して生活の立て直しを後押しする制度です。

 

支援金は「基礎支援金」と「基礎支援金」の2種類があります。

1つ目は「基礎支援金」で、住宅の損害の度合いによって支給されます。

全壊・解体・長期避難に該当する場合は100万円、大規模半壊の場合は50万円の支給となります。

 

2つ目は「基礎支援金」で、住宅を再建する方法に応じて支給されます。

建設や購入の場合は200万円、補修の場合は100万円、賃貸住宅への入居の場合は50万円です。

 

なお単身世帯の場合は、それぞれの金額が4分の3に減額されます。

 

手続きは市町村の窓口で行い、基礎支援金は災害から13カ月以内、加算支援金は37カ月以内という申請期限があります。

 

災害救助法に基づく住宅の応急修理

災害救助法に基づく「住宅の応急修理」は、災害で住宅が半壊などの被害を受け、このままでは居住できないものの、修理を行えば日常生活が可能になる場合、そして修理のための自己資金がない場合に利用できます。

 

居室やキッチン、トイレなど、日常生活をおくるために必要なスペースの補修費用について、一世帯あたり最大739,000円の支援を受けられます。

 

ただし、災害発生から一定の期間内に工事を完了させることや、応急修理をするだけの資力がないことなど、いくつかの要件を満たす必要があります。

罹災証明書を取得しても、必ずしも利用できるわけではない点にご注意ください。

 

災害援護資金による融資

災害救助法が適用された地域で被災した方は、市町村から災害援護資金の融資を受けられる場合があります。

世帯主が負傷した場合や住宅・家財に損害を受けた場合に利用でき、据置期間中は無利子、その後は年利3%で借り入れることができます。

 

融資額は被害の内容や程度によって異なり、上限は350万円です。

ただし、所得制限があるため、融資を受けられない可能性もあります。

 

税金の軽減措置

台風による被害を受けた場合、次のような税制上の優遇を利用できる可能性があります。

  • 申告期限や納付期限の延長
  • 納税の猶予措置
  • 予定納税額の減額や源泉徴収の猶予
  • 所得税の減免(確定申告による)
  • 住宅ローン控除の特例適用

 

被害の程度や所得金額などの条件によって適用される軽減内容が異なります。

具体的な条件や手続きについては、国税庁のウェブサイトまたは最寄りの税務署でご確認ください。

 

損害保険の補償

台風による被害は、火災保険でカバーされることがあります。

一般的な火災保険には、風災・雪災といった自然災害への補償が付帯されており、台風で発生した屋根の損壊や雨漏り、浸水などが対象となる場合があります。

 

ただし、契約内容や保険会社によって補償の範囲は異なるため、ご自身の保険証券を確認してください。

 

また、保険金請求には時効があるため、被害が発生したら速やかに保険会社へ連絡することをおすすめします。

なお、保険金の請求については、罹災証明書は原則不要です。

 

 

台風被害に遭った家を売却する方法は?

契約

台風で被害を受けた家であっても売却することは可能です。

ただし、一般的な物件に比べると買い手が見つかりにくい傾向があります。

 

台風で被害を受けた家を売却する方法を見ていきましょう。

 

修理してから売りに出す

1つ目の選択肢は、損傷した部分を修理してから売却する方法です。

修理を行うことで購入希望者の不安を和らげ、一般的な物件と同じような条件で売却活動ができます。

 

ただし、修理費用は売主負担となり、被害の規模によっては100万円を超える出費になることも。

修理費用を上乗せした価格で売れるとは限らないため、費用と期待できる効果を慎重に比較検討しましょう。

 

そのままの状態で売却する

2つ目の選択肢は、修理をせず現状のままで売りに出す方法です。

この場合、買主が修理費用を見込んで価格交渉をするため、相場を下回る金額での成約となります。

 

購入者にとっては自分の好みに合わせて改修できるという利点もありますが、購入希望者が現れるまでには時間を要する可能性が高くなります。

売却期間中も固定資産税などの維持コストは継続するため、売却の長期化には注意が必要です。

 

「買取」という選択肢も

3つ目の選択肢として、不動産会社へ直接買い取ってもらう「買取」という手段があります。

 

買取は、不動産会社に直接物件を購入してもらう方法です。

仲介での売却と比較すると売却額は低くなる傾向にありますが、短期間での現金化が実現でき、仲介手数料も発生しないといった利点があります。

 

不動産会社は買い取った物件に補強工事やリフォームを施してから再び販売するため、現状のまま引き取ってもらえるケースも多いです。

 

「早く現金が必要」「売却手続きに時間や労力をかけたくない」といった事情がある場合は、買取も検討する価値があります。

 

台風被害に遭った家を売却した事例

イエステーションでも、台風による屋根の損傷と雨漏りが発生している戸建ての買取をご提案した実績があります。

 

例えば、2019年の台風で被害を受けてから雨漏りが続いており、修理業者の手配がつかず損傷が広がっていったというケース。

修理の見積額は150万~200万円程度で、その費用を新しい住宅の購入資金に回したいとのご希望でした。

 

住宅ローンの返済が完了していたこと、一般市場で売却する場合でも最低限の修理は避けられないことなどを考慮し、弊社による買取でご提案させていただきました。

 

▶お客様の相談例「台風被害で屋根が剥がれ雨漏りしている戸建でも取り扱い可能でしょうか

 

イエステーションでは、地域に根ざした活動を通じて、物件の現状やお客様の資金計画などを総合的に見極めながら、最良の解決策をご提示しています。

台風被害を受けた家の処分方法でお悩みの方も、お気軽にご相談ください!

 

 

台風被害を受けた家を売却するときの注意点も確認!

台風被害を受けた家を売却する際に気をつけたい点もご紹介します。

後々のトラブルを防ぐためにも、しっかりと把握しておきましょう。

 

被災した家を放置しない

台風で家に被害が出て住めなくなった場合でも、「売れそうにないから」と放置し続けるのはリスクが大きいです。

 

人が暮らさなくなった家は傷みが加速し、台風で損傷を受けた家であればなおさら劣化が早まります。

状態が悪化すると、次の台風や地震で倒れてしまい、周辺住民に危害を及ぼす危険性があります。

 

また、被災した家を管理せずにいると、特定空き家に認定される恐れもあります。

 

特定空き家とは、そのまま放置すると周囲に悪影響を与える状態の建物のこと。

特定空き家に認定されると固定資産税の軽減が適用されなくなり、税金の負担が増えてしまうことも。

さらに自治体が強制的に撤去する行政代執行が行われた場合、撤去費用を請求される可能性もあります。

 

被災した家を放置すると将来的に大きな金銭的負担が生じる可能性があるため、住む予定がないのであれば早めに売却を検討しましょう。

 

被災した事実を購入希望者へ必ず伝える

「台風による被害を伏せておけば高値で売れるのでは」と思うかもしれませんが、被災の事実は不動産会社と購入希望者に対して正直に開示しましょう。

 

宅地建物取引業法47条1項では、不動産取引において「相手方の判断に重要な影響を及ぼす事項」を、故意に告げなかったり、虚偽の説明をしたりすることを禁止しています。

 

もし被災の事実を隠したまま売却を進め、引き渡し後に台風被害が判明した場合、契約不適合責任を追及されて契約解除や損害賠償を求められる可能性があります。

被災した事実は隠さずに伝え、誠実に取引を進めましょう。

 

契約不適合責任について詳しく知りたい方は「売主が負う契約不適合責任とは?不動産取引前に確認しよう」も、ぜひあわせてご覧くださいね。

 

ホームインスペクションの実施も検討する

台風被害の程度によっては、見た目では損傷が確認できない場合もあります。

しかし購入を検討する側からすると「台風の被害を受けたのに本当に大丈夫なのか」という不安が残り、購入をためらう要因となります。

 

そこでおすすめなのが、ホームインスペクション(住宅診断)です。

ホームインスペクションとは、建物の基礎部分や外壁といった重要な構造箇所の劣化具合、ひび割れや雨漏りの有無などを、住宅診断士の資格を持つ専門家が調査するサービス。

 

通常は物件の購入を希望する人が依頼することが多いですが、台風被害を受けた家の場合は売主側があらかじめ実施しておくことで、物件への信頼度を高める効果が期待できます。

買主が見つかりやすくなる可能性が高まりますので、ぜひ検討してみてください。

 

売却価格が相場より低くなることを認識する

台風被害を受けた家は、購入者が修理を行うことを前提に、その修理費用分を差し引いた価格設定になるため相場よりも売却額が下がります。

 

売主が修理してから売却する場合でも、修理費用に見合う価格で売れるとは限りません。

売却価格が下がることをあらかじめ理解した上で、最適な売却方法を選びましょう。

 

 

台風被害に遭った家は適切な方法で安心の売却を

台風被害に遭った家でも売却は可能です。

 

ただし通常の売却と比べて買主が見つかりにくい傾向があるため、適切な売却方法を選ぶことが大切です。

 

台風被害を受けた場合、まずは罹災証明書を取得し、公的支援や保険による補償を活用しましょう。

 

売却方法には修理してから売る、現状のまま売る、不動産会社に買い取ってもらうという選択肢があります。

被災の事実は必ず告知し、放置せずに早めに対処することが重要です。

 

不動産の売却に悩んだときは、ぜひ不動産会社にご相談ください。

千葉エリアの不動産売却のお悩みは、「イエステーション」がサポートいたします。

 

台風被害の家を売却する方法は?公的支援や注意点も解説!

いすみ店 前島 亮

売却は一生に何度もあるものではございません。
より安心していただけるよう、分かりやすい資料とわかりやすい説明を心がけております。
地元になくてはならない不動産屋としてクオリティの高いサービスをご提供してまいります。

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