不動産売却のコツ

不動産売却で消費税は課税される?課税されるもの・されないものを解説

こんにちは。千葉エリアの不動産会社「イエステーション」前島です。

 

不動産売却を検討中の方には、「不動産売却で発生する費用に消費税はかかるのだろうか?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

今回は、不動産売却で消費税の課税対象となるものを解説します。

 

不動産売却で消費税がかからないものや、納税額の算出方法、納税手続きについてもご紹介しますので、あわせて参考にしてください。

消費税

 

 

消費税の課税対象になるものとは?

消費税とは、日本国内の取引に課される税金です。

国税庁によると、次の要件を満たした取引が課税対象となります。

 

【消費税の課税対象となる要件】

  • 国内取引である
  • 事業者が事業として行う取引である
  • 対価を得て行うものである
  • 資産の譲渡・貸付、役務の提供である

 

参考:国税庁「2 どんな取引が課税対象?

 

「個人が引越しの整理のために家財を売った」という場合ではなく、「事業者」である法人や個人事業主が営利目的で国内で行なった取引が対象となります。

 

そして、資産の譲渡・貸付とは、商品の販売や賃貸業などを指します。

役務の提供には、運送や広告などサービスの提供、また、税理士などの専門家が知識の提供を行うことも含まれます。

 

国内での商品の販売・運搬・広告など、報酬や利益を目的に行われる商品・労働・サービスの提供にはすべて、消費税が発生するということですね。

 

 

不動産売却で消費税が課税されるものは?

不動産売却において、消費税が課税されるものは次のとおりです。

 

【不動産売却における消費税の課税対象】

  • 事業用建物の売却代金
  • 仲介手数料
  • 司法書士への報酬
  • ローン返済に伴う手数料

 

1つずつ解説していきます。

 

事業用建物の売却代金

建物の売却代金への課税は、売主が「個人であるか事業者であるか」、事業者であっても「課税事業者か免税事業者か」で違います。

 

また、売却物件が事業用建物か、自宅や別荘など個人用の建物かでも以下のような違いがあります。

上記のとおり、課税されるケースは「売主が課税事業者で、なおかつ事業用の建物を売る場合」だけです。

 

課税事業者となる条件

なお、事業者は次の条件を満たすと、課税事業者となりますのでご注意ください。

 

【個人事業者の場合】

  • 前々年の課税売上高が1,000万円を超える
  • その年の前年の1月1日から6月30日までの期間の課税売上高が1,000万円を超える

 

【法人の場合】

  • 前々事業年度の課税売上高が1,000万円を超える
  • その事業年度の前事業年度開始の日以後6カ月の期間の課税売上高が1,000万円を超える

 

参考:国税庁「消費税のしくみ

 

仲介手数料

仲介手数料とは、不動産会社に不動産の買い手を探してもらう「仲介」を頼んだ際、その成功報酬として支払うお金のことです。

 

不動産会社の仲介業という「役務の提供」に対する報酬ですので、消費税の課税対象となります。

 

金額の上限は、法律によって次のように定められています。

 

売買価格 仲介手数料の上限の計算に用いる割合
200万円以下の部分 5.5%
200万円超、400万円以下の部分 4.4%
400万円超の部分 3.3%

 

納税は不動産会社が行うので、売主がする必要はありません。

 

なお、不動産仲介については「不動産仲介の仕組みとは?役割や流れ、仲介手数料も解説!」で解説していますのであわせて参考にしてください。

 

司法書士への報酬

司法書士への報酬は、不動産の名義を買主に変更する「所有移転登記」や、住宅ローンの残債を完済する場合の「抵当権抹消登記」を依頼する際に支払うことが一般的です。

 

こちらも、司法書士の労務に対する対価ですので、消費税の対象となります。

納税は司法書士が行うため、売主の手続きは不要です。

 

ローン返済に伴う手数料

家の売却代金で住宅ローンの残債を相殺する場合、繰り上げ返済などローンに関して手数料が発生することがあります。

 

サービスに対して支払うお金のため、消費税の対象となります。

納税は金融機関が行うので、売主が行う必要はありません。

 

 

不動産売却で消費税の課税対象とならないもの

不動産売却で消費税の課税対象とならないものは、次のとおりです。

 

【不動産売却における消費税が非課税となるもの】

  • 個人用建物の売却代金
  • 土地の売却代金

 

先にお伝えしたとおり、個人用建物の売却代金には、たとえ売主が課税事業者であっても課税されません。

自宅である一戸建てやマンションを売っても、消費税はかからないということですね。

 

そして、土地の売却代金も課税対象外です。

なぜなら土地は、「消費されないもの」として扱われるからです。

 

ただし、土地を駐車場などとして資産計上しているなら、税法上は土地ではなく、「設備」に該当し、課税対象となります。

 

課税事業者の方はお気を付けくださいね。

 

 

不動産売却での消費税額の出し方と納税の手続き

申告書

最後に、不動産売却での消費税額の出し方と、納税の手続きについてご紹介します。

 

不動産売却での消費税額の出し方

課税事業者で、事業用の土地と建物を一括で売った場合は、「建物の売却価格÷1.1×0.1」で消費税額が求められます。

例を挙げて確認しましょう。

 

【例)売却価格4,500万円(土地:2,800万円、建物:1,700万円)の場合】

※消費税率10%の場合

 

消費税額=1,700万円÷1.1×0.1=154万5,454円(小数点以下切り捨て)

 

なお、土地と建物それぞれの金額がわからないときは、固定資産税評価額や相続税評価額、時価の比率などと比べて、それぞれの割合に配分できます。

 

基本的に、この評価額による算出は不動産会社が行うため、提示された金額がきちんと按分されているかをチェックするようにしましょう。

 

【例)固定資産税評価額が「土地:3,000万円、建物:2,000万円」の場合】

※消費税率10%の場合

 

3,000万円+2,000万円=5,000万円(合計額)

  • 土地が占める割合:3,000万円÷5,000万円×100%=60%
  • 建物が占める割合:2,000万円÷5,000万円×100%=40%

 

物件が6,000万円で売れた場合

  • 土地価格:6,000万円×60%=3,600万円
  • 建物価格:6,000万円×40%=2,400万円

 

この内、消費税がかかるのは建物のみです。

 

消費税額=2,400万円÷1.1×0.1=218万1,968円(小数点以下切り捨て)

 

納税の手続きとして確定申告が必要

不動産の売却代金に消費税が課された場合、確定申告を行う必要があります。

インボイス発行事業者の登録を受けた場合は、たとえ課税事業者の条件を満たしていなくても申告義務があるので、忘れず申告しましょう。

 

確定申告書は、所轄の税務署の受付に直接持っていくか、郵送するか、 e-Taxで申告する方法があります。

 

申告期限は、法人の場合は課税期間(事業年度)が終わった翌日から2カ月以内、個人事業者はその年の翌年の3月31日までです。

申告・納税を怠ると、過怠税などペナルティがあるのでご注意くださいね。

 

なお、前の課税期間の消費税額が48万円を超える場合、中間申告と中間納税が必要なことも知っておきましょう。

 

 

課税事業者は不動産売却時の消費税納付を忘れずに

不動産売却において、消費税が課されるのは、事業用建物の売却代金、仲介手数料、司法書士への報酬、ローン返済に伴う手数料の主に4つです。

個人用建物や土地の売却代金には課税されません。

 

なお、売主に納税義務があるのは、事業用建物の売却代金にかかる消費税だけです。

そのほかの課税対象となるものは、不動産会社や司法書士など、それぞれが納税義務するので売主の手続きは不要です。

 

また、消費税が課税されると、確定申告する必要があります。

納税を怠ると過怠税などペナルティがあるので、忘れず申告期限内に手続きを済ませましょう。

 

前の課税期間の消費税額が48万円を超える場合、中間申告・納税が必要となる点にもご注意くださいね。

 

不動産売却に悩んだときは、ぜひ不動産会社にご相談ください!

千葉エリアの不動産売却のお悩みは、「イエステーション」がサポートいたします。

 

不動産売却で消費税は課税される?課税されるもの・されないものを解説

多古町店 前島 亮

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