不整形地の売却が難しい理由は?売れやすくする方法も詳しく解説!
こんにちは。千葉エリアの不動産会社「イエステーション」前島です。
「不整形地を売却したいけれど、本当に売れるのだろうか…」
「土地の形が悪いから、かなり安く売らないといけないのでは?」
そんな不安や心配を抱えていませんか?
不整形地は、正方形や長方形の整った土地に比べると確かに売却が難しい面があります。
今回のコラムでは、不整形地が売れにくい理由と、売れやすくするための方法を徹底解説します。
売却価格の目安の知り方もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

不整形地の定義や種類も確認!なぜ売りにくい?
不整形地とは、正方形や長方形ではない、いびつな形状をした土地のことです。
見た目の形だけでなく、一枚の敷地に高低差がある場合なども不整形地に含まれます。
不整形地は、主に下記の5つの種類に分類できます。
- 旗竿地:道路に接している部分が細長く、奥に土地が広がっている形状の土地
- L字型の土地:アルファベットのLのような形をした土地
- 三角地:三角形の形状をした土地
- 傾斜地:平坦ではなく斜めになっている土地
- がけ地:傾斜地のうち、角度が30度以上ある土地
では、なぜ上記のような不整形地は、売れにくいといわれるのでしょうか?
不整形地が売りにくい理由
不整形地の売却が難しいといわれる理由には、主に次の3つが挙げられます。
理由①土地を活用しづらい
不整形地の最大の課題は、土地を有効活用することが難しい点です。
一般的な建物は四角い形状で設計されるため、不整形地では希望する間取りの家が建てにくいからです。
また、建物の配置にも制限がかかりやすく、土地の一部がデッドスペースとなる場合も。
土地の形状に合わせた特殊な設計や工事が必要となり、建築費用が通常より高額になりやすいケースも多いため、購入を控える買主が多く、売れにくさにつながってしまいます。
理由②住宅ローンの融資を受けにくい
不整形地は、一般的に担保価値が低く評価される傾向にあります。
土地活用の難しさから、金融機関は融資に慎重な姿勢を示すことが多く、融資額が抑えられたり、場合によっては融資自体が受けられなかったりすることも。
そのため、購入希望者が住宅ローンを利用して購入することが難しくなり、売却の大きな障壁となってしまいます。
理由③法律上の制限が多い
不整形地は、建築基準法をはじめとする法律による制限を受けやすい特徴があります。
特に重要なのが接道義務です。
建物を建てるためには、幅4m以上の道路に2m以上接していることが必要ですが、旗竿地などではこの条件を満たせないことがあります。
また、不整形な形状により、建ぺい率や容積率の制限の影響を受けやすく、実質的に建てられる建物が制限されることも。
がけ地の場合は、各自治体の条例によってさらに厳しい制限が課されることもあります。
売れる土地、売れない土地の特徴については、「売れる土地と売れない土地の差は?売るための対策も解説!」のコラムでも詳しく解説していますので、ぜひあわせて参考にしてください。
不整形地はいくらで売れる?売却価格の目安の知り方
不整形地の売却を考える際、どのくらいの価格で売れるのか、気になる方は多いのではないでしょうか?
具体的な価格は土地の形状や立地など条件によって異なるものの、通常の土地よりも、安くなる傾向があることは確かです。
不整形地の売却価格の目安を知る方法
具体的な売却価格の目安を知るためには、以下の評価方法が参考になります。
実勢価格
実際に市場で取引された価格。
不整形地の場合、実勢価格はその土地の形状や立地条件によって大きく異なります。
売却価格の目安を調べる方法として最初に挙げられるのは、買取業者の公式サイトで公開されている買取実績を確認する方法です。
多くの買取業者は、自社のサイトで過去の取引内容を公開しているため、その中から自分の土地に近い条件の取引事例を探して参考にできます。
また、「REINS(レインズ)」や「土地総合情報システム」を利用するという方法も。
これらのシステムでは、不動産の売買に関する情報が豊富に掲載されており、地域や物件の種類を指定して調べることができます。
地価公示価格
国が公示する土地の基準価格。
ただし、地価公示価格は実際の取引価格よりも低くなります。
そのため、不整形地の売却価格の目安としては、地価公示価格に1.1を掛けることで、実際の取引価格(実勢価格)を推定することができます。
路線価
道路に接する土地1㎡あたりの価値を示す評価額。
通常は地価公示価格の約80%を目安とします。
このため、路線価から売却価格の目安を算出するには、まずは路線価を80%で割り戻し、その後、1.1を掛けることで求めることができます。
固定資産税評価額
固定資産税の計算に用いられる土地の評価額
評価基準に基づいて市町村が決定します。
通常は地価公示価格の約70%を目安とします。
このため、固定資産税評価額から売却価格の目安を算出するには、まずは固定資産税評価額を70%で割り戻し、その後1.1を掛けることで、不整形地の概算価格を求めることが可能です。
不整形地の評価額を詳しく調べるに必要な補正率とは
不整形地の評価額を詳しく算出するには、「補正率」の算出が必要不可欠です。
不整形地は、標準的な土地と比較して利用しにくいため、評価額が下がる可能性があるため、正率を算出して調整を行うことで、評価額の低下分を補正することができます。
不整形地補正率は0.60~1.00の間で設定されていて、土地の評価額に補正率をかけることで不整形地の価格を算出します。
不整形地の補正率は、土地の面積区分(地積区分)と不整形の程度(かげ地割合)に基づいて算出されます。
まず、地積区分表で土地の地区区分と面積からA~Cに分類します。
次に、想定整形地を基にかげ地の割合を求め、かげ地割合を算出します。
最後に、不整形地補正率表に地積区分とかげ地割合を照らし合わせて補正率を求めます。
土地相場の調べ方について、詳しくは「土地売却の相場の調べ方5種類を解説!注意点もチェック」で解説していますので、ぜひあわせて参考にしてください。
不整形地を売却しやすくする方法をチェック!

最後に、不整形地を売却しやすくするための7つの方法をご紹介します。
1.隣接する土地の一部を購入し、整形地にする
隣接する土地と合わせて整形地にすると、土地の価値を向上させ、売却しやすくなるでしょう。
不整形地の最大の課題である「土地の形状」そのものを改善できるため、建築の自由度が上がり、多くの購入検討者の候補が見込まれるからです。
ただし、この方法は隣地所有者との交渉が必要で、購入費用も発生します。
土地の価値上昇分と購入費用のバランスを十分に検討する必要があります。
2.隣地所有者に売却する
隣地も不整形地の場合、隣地所有者に売却することで、早期売却だけでなく、高値で売れる期待もあります。
隣地所有者にとって、自身の土地と一体利用することで土地の活用の幅が広がりますし、将来的な売却にも有利になるというメリットがあるからです。
ただし、隣地所有者の資金状況や土地活用の意向を事前に確認することが重要です。
当事者同士が直接やり取りすると、価格交渉などが進みづらいことも多いため、なるべく不動産会社などに仲介してもらい、トラブル回避策を講じましょう。
3.分筆して整形地になった部分を売る
広めの不整形地を所有している場合は、分筆して整形地に整えるのも良い方法です。
一部を整形地として切り出すことで、通常の土地としての評価が期待できるからです。
ただし、分筆には土地家屋調査士への依頼が必要となり、費用面での検討が必要です。
また、「分筆後の土地が建築基準法の要件を満たせるかどうか」の確認も忘れずに行いましょう。
4.建物を建ててから売却する
建物を建ててから「建売物件」として売るのも選択肢の一つです。
建物付きで売れば、「この不整形地にどのように家を建てる?」という購入者の悩みを解消できるからです。
土地の形状に合わせた建物を建てることで、不整形地ならではの住まい方の提案ができます。
注意点として、建築の費用がかかることや、建物の好みは人それぞれであるため、販売までに時間を要することは押さえておきましょう。
建てる家は汎用性の高い設計を選ぶと、購入者に選ばれやすいです。
5.土地の特徴に適した活用方法を提案する
購入者の不安を軽減する方法として、建物付きで売るのではなく、特徴にあった活用プランを提案するのもおすすめです。
プラン提案であれば、建築費用は掛からないからです。
傾斜地であれば眺望を活かした設計プラン、旗竿地であればプライバシーに配慮した間取りプランなど、不整形地であることを逆手に取ったアドバイスができると、よりアピールしやすくなるでしょう。
提案の際は、建築の専門家と相談しながら、実現可能性の高いプランを示すことが重要です。
6.値下げを検討する
早期売却を優先したい場合は、値下げの検討も有効です。
価格を下げることで購入検討者の数を増やし、売却のチャンスを広げることができるからです。特に、相続税の支払いや住宅ローンの返済など、期限のある資金需要がある場合は検討する価値があります。
ただし、闇雲な値下げは避け、不動産会社に相談しながら市場で受け入れられる適正価格を見極めることが重要です。
売却には、税金など費用もかかるため、事前に押さえておいてくださいね。
詳しくは「土地の売却でかかる税金を解説!支払いスケジュールと節税方法も」で解説しています。
7.「買取」を利用する
とにかく早く売りたい、という場合は、不動産会社に直接売却する「買取」を検討してみましょう。
仲介売却に比べて売却価格は低くなる可能性はありますが、買い手探しが不要で、なおかつそのままの状態で買い取ってもらえるため、早期売却にはぴったりの方法です。
複数の不動産会社に買取査定を依頼し、価格などの条件を比較検討することをおすすめします。
不整形地の売却は土地の特徴を活かした提案がカギ!
不整形地は、その形状から土地の活用が難しく、一般的な整形地に比べて売却がやや難しい面があるといえます。
しかし、土地の形状や特徴を正しく理解し、それに応じた対策を取ることで、不整形地でも売却は十分可能です。
大切なのは、不整形地の評価額を適切に把握し、土地の特徴に合った売却方法を選ぶこと。
隣地所有者への売却や不動産買取の利用など、状況に応じた方法を検討していきましょう。
また、不整形地ならではの特徴を活かした建築プランの提案など、土地の価値を高める工夫も効果的です。
不整形地の売却に悩んだときは、ぜひ不動産会社にご相談ください。
千葉エリアの不動産売却のお悩みは、「イエステーション」がサポートいたします。