不動産相続のこと

二世帯住宅は親が亡くなった後にどうするべき?問題点も解説

こんにちは。千葉エリアの不動産会社「イエステーション」前島です。

 

「親が亡くなった後、二世帯住宅はどうしたら良いのだろう」

 

そんなお悩みをお持ちではありませんか?

 

二世帯住宅で両親とも亡くなってしまった場合、部屋が空いてしまうので、どう使うべきか、リノベーションをするべきか、売却をしたほうが良いか、悩む方はとても多いです。

 

今回のコラムでは、親が亡くなった後の二世帯住宅の取り扱い方法について解説します。

 

亡くなった後に起こり得る問題点もご紹介しますので、ぜひあわせて参考にしてみてください。

二世帯住宅

 

 

二世帯住宅で親が亡くなった後に起こる可能性のある問題点

二世帯住宅とは、親世帯・子世帯といった「2つの世帯が生活する住宅」を指し、間取りのタイプは以下の3種類に分けられます。

  • 完全分離型:二世帯の居住スペースが独立しており、玄関・生活に必要な機能・光熱費の負担も完全に分かれているタイプ
  • 一部共用型:玄関や一部の部屋や設備(機能)を二世帯で共用するタイプ
  • 完全同居型:通常の戸建てやマンションのような間取りで、建物全体を2世帯が共用で使うタイプ

 

いずれのタイプも二世帯分の暮らしに適した間取り・部屋数を備えているため、親が亡くなった後そのまま放置すると、次のような問題が起こる可能性があります。

  • 一世帯で使うには生活スペースが広すぎる
  • 維持管理の手間がかかる
  • 税金や維持管理費など、金銭的な負担が重くなる

 

住まいは定期的な換気・掃除などの管理を行わないと、建物の劣化を進めてしまいます。

 

それまで親世帯が使っていたスペースを持て余すだけでなく、維持管理の手間がすべて子世帯にかかってくるでしょう。

 

また、家は所有するだけで、固定資産税や都市計画税といった税金、メンテナンス費用がかかります。

さらに住宅ローンを利用して購入した場合は、親世帯と共同で返済していた分、負担が重くなってしまう問題も。

 

上記の問題以外にも、相続トラブルを生む可能性がありますので、現在二世帯住宅に住んでいる場合は、なるべく早く相続の方針を話し合っておくことをおすすめします。

 

家や土地が親世帯の名義であれば、複数の相続人がいる場合、二世帯住宅も遺産分割の対象です。

相続財産の内容によっては、ほかの相続人と共有名義になったり、現金化して分割する必要が出てきたりと、自由に処分・活用ができなくなってしまうおそれがあります。

 

生前に名義を変更しておく、あるいは、遺言書を作成して二世帯住宅を子が引き継げるよう指名しておくといった対策を家族で話し合っておくと良いでしょう。

 

 

親が亡くなった後の二世帯住宅はどうするべきか

how

では、先にお伝えした問題を解決するには、どのような方法があるのでしょうか。

 

親が亡くなった後、二世帯住宅をどう扱うべきか、一般的な取り扱い方法をご紹介しましょう。

 

<二世帯住宅の取り扱い方法の例>

  • リノベーションして住み続ける
  • 将来子どもが家庭を持った際に同居する
  • 空きスペースを賃貸に出す
  • 売却する

 

それぞれ解説していきます。

 

方法①リノベーションして住み続ける

1つ目は、二世帯住宅をリノベーションし、子世帯が住み続ける方法です。

 

そのままでは使い勝手が悪いので、親世帯が使っていたキッチンやトイレ、居室などを収納スペースに変えたり、余ったスペースを削る減築リフォームをしたりして、住み良くするためのリノベーションを行います。

 

メリットとしては、より子世帯の生活スタイルに合った改築をすることで、維持管理の手間が減らせることです。

 

しかしながら、固定資産税など税金の負担は軽減できませんし、大掛かりな間取り変更となることが多いため、工事費用がかさんでしまうデメリットがあります。

 

方法②将来子どもが家庭を持った際に同居する

2つ目は、将来自分の子どもが独立して家庭を持ったとき、または現在家庭を持っている場合に、空きスペースに入ってもらう方法です。

 

親世帯の居住スペースの造りがよりバリアフリーに設計されているなら、老後のことも考えて自分たちが空きスペースに移り、入れ替えるのも良いですね。

 

引っ越しや片付けの手間がかかりますが、減築リフォームのような大掛かりな間取り変更をする必要はなく、金銭的な負担が少ない方法といえます。

 

ただし、入居までに時間がかかる場合は、固定資産税などの税金、賃貸として維持する上で、定期的なメンテナンスや住まいの環境を整える修繕・リフォームが負担がかかる点もデメリットでしょう。

 

また、子世帯が同居できるタイミングにない、あるいは、同居を避けたいという場合もありますので、なかなか実現は難しいかもしれません。

 

将来を考えて家をそのままにする場合は、その間だけ次でご紹介する空きスペースを賃貸に出す方法もあります。

 

方法③空きスペースを賃貸に出す

3つ目は、空きスペースを賃貸に出す方法です。

 

完全分離型の場合は、居住に必要な設備が独立しているので、マンションの一室のように空きスペースを個別に賃貸しやすいです。

 

一部共用型や完全同居型の場合は、共用部分がある都合上、完全に関わりを絶つことが難しいため、気心の知れた友人、兄弟姉妹や親族などに貸し出すと生活しやすいでしょう。

 

賃貸に出すメリットとしては、家賃収入が発生することや、減築リフォームのような大掛かりな工事がいらないことが挙げられます。

 

ただし、固定資産税などの税金、賃貸として維持する上で、定期的なメンテナンスや住まいの環境を整える修繕・リフォーム、入居者への対応といった負担はかかります。

 

共用で設備を使う必要があるなど、二世帯住宅の間取りの特殊性から、なかなか入居者が決まらない場合もあるでしょう。

 

方法④売却する

4つ目は、二世帯住宅を売却する方法です。

具体的には次の5つの選択肢があります。

  • 建物全体を二世帯住宅として売却する
  • 親世帯のスペースだけを売却する(完全分離型の場合)
  • シェアハウスとして売り出す(一部共用型や完全同居型の場合)
  • 建物を解体し、更地にしてから売却する
  • 不動産会社に「買取」をしてもらい、二世帯住宅を売却する

 

いずれにしても、ここまでお伝えしたほかの方法に比べて、税金の負担など金銭的な負担や、維持管理の手間を大きく減らせるため、「家を手放しても構わない」という方にはおすすめの方法です。

 

建物全体を売却する場合は、売却資金を元手に、より生活スタイルに合ったコンパクトな物件に住み替えることで、住み心地も良くなるでしょう。

 

住み替えの際は、売却と新居購入のスケジュール管理がカギとなり、同じ不動産会社へ仲介を依頼するとスムーズです。

 

詳しくは、「住み替えは同じ不動産会社への依頼がおすすめ!メリットや注意点も」で解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。

 

ただし、二世帯住宅や共用スペースの存在や部屋数などが、一般的な戸建て住宅希望者の予算・生活スタイルと一致しないことも多いです。

買い手が付きづらく、スムーズな売却が難しい可能性がある点は覚えておきましょう。

 

「どうしても建物付きだと売れない」という場合は、更地にする方法もありますが、解体費用がかかるのが難点です。

二世帯住宅は建築費用も高額な場合が多く、住宅ローンの残債に解体費用を含めると、売却しても利益が出なかったり、赤字になったりする可能性もあります。

 

早期売却を希望されるなら、仲介ではなく不動産会社に直接売却する「買取」も視野に入れると良いでしょう。

買取価格は、仲介での売却価格の6~8割程度と安くなる傾向があるものの、買主探しの手間がかからないからです。

 

仲介と買取の違いは、「不動産を売却するとき「買取」と「仲介」はどちらがいい?」で詳しく解説しています。

 

どの選択肢が適しているかは物件によって異なるため、不動産会社と相談しながら検討してみてくださいね。

 

 

親が亡くなった後の二世帯住宅。維持管理が困難なら売却がおすすめ

親が亡くなった後の二世帯住宅は、そのまま住み続ける場合、スペースを持て余す、維持管理の手間が増える、税金やローン返済など金銭的な負担が重くなるなどの問題が起こる可能性があります。

 

問題を解決するためには、将来子どもが家庭を持ったとき、または現在家庭を持っている場合に同居する、賃貸に出す、リノベーションして住みやすくするといった方法が挙げられます。が、

ただし、金銭的な負担が大きい、都合良く入居してもらえるかわからないといったデメリットもあるため、しっかり検討する必要があるでしょう。

 

その点、売却してよりコンパクトな物件に住み替えれば、時間的・金銭的負担は大きく軽減できると言えます。

早期売却を目指す場合は、不動産会社に直接売却する「買取」の検討もおすすめです。

 

二世帯住宅の売却に悩んだときは、ぜひ不動産会社にご相談ください!

千葉エリアの不動産売却のお悩みは、「イエステーション」がサポートいたします。

 

二世帯住宅は親が亡くなった後にどうするべき?問題点も解説

多古町店 前島 亮

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