空き家を駐車場にするメリットとは?コストや活用の判断基準も紹介
こんにちは。千葉エリアの不動産会社「イエステーション」前島です。
「使っていない空き家をどうしようか悩んでいる」
「駐車場として活用すれば収益が得られるのだろうか?」
そんなお悩みを抱えていませんか?
空き家を放置していると維持費ばかりがかかってしまいますが、駐車場として活用することで収益を生み出すことも可能です。
とはいえ、デメリットはないのか気になる方もいらっしゃるはず。
そこで今回は、空き家を駐車場にするメリット・デメリットや、かかるコスト、活用するかどうかの判断基準も解説していきます。

空き家を駐車場にするメリットとデメリット
空き家の活用方法の一つに、空き家を解体して「駐車場にする」という選択肢があります。
しかし、利点だけでなく注意すべき点も存在しますので、駐車場活用の主なメリットとデメリットを知った上で判断することが大切です。
空き家を駐車場にするメリット
まず、空き家を駐車場にするメリットは、主に次の4つです。
①比較的少ない初期投資で始められる
空き家を戸建て賃貸として活用するには、内装のリフォームや設備の改修、耐震補強など、まとまったリノベーション費用がかかります。
一方、駐車場として活用する場合は、建物の解体費用こそかかりますが、整地と区画整備だけで運用が可能です。
全体的な初期費用は抑えやすく、管理の手間も少ないため、空き家活用の第一歩として取り組みやすい方法といえます。
②維持・管理がシンプル
駐車場なら建物がないため、屋根や外壁の修繕など大がかりなメンテナンスは不要です。
定期的な清掃や雑草対策で十分管理できるため、負担が少なく済みます。
③比較的早く収益化できる
更地にしてすぐ貸し出せるため、需要があれば短期間で収入を得られるのも利点です。
④将来的な転用が容易
駐車場は構造物が少なく、撤去や用途変更も簡単です。
将来的に売却や別の活用に切り替えたい場合でも柔軟に対応できます。
空き家を駐車場にするデメリット
続いて、駐車場活用のデメリットは以下の3つです。
①収益性が限定的
駐車場1台あたりの収入は月極で数千円程度が一般的です。
立地や規模によっては、期待ほどの収益が得られない場合もあります。
②需要に左右されやすい
周辺に駐車場が多い場合や車利用が少ない地域では、契約者が集まらない可能性も。
市場調査を行い、需要を確認しておくことが重要です。
③税負担が増える場合も
空き家を解体して駐車場にすると、「住宅用地に対する課税標準の特例」が適用されなくなる場合があります。
そうなると、固定資産税が最大6倍、都市計画税が最大3倍に増加してしまいます。
駐車場経営の収益性を考える際には、この税負担の変化も考慮する必要があるでしょう。
空き家を駐車場にする場合にかかるコスト
空き家を駐車場にするには、初期投資とランニングコストの両方が発生します。
具体的にどのような費用がかかるのかと、コストに関する注意点をお伝えしますので、駐車場にするか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
初期費用とランニングコスト
空き家のある土地で駐車場経営を始めるためには、まず建物の解体や土地の整備が必要となり、それぞれコストを要します。
【建物の解体費用の目安】
- 木造住宅:坪あたり約4万円
- 鉄骨造:坪あたり約6万円
- RC造(鉄筋コンクリート):坪あたり約7万円
例えば、30坪の木造住宅であれば、「4万円×30坪=120万程度」が目安です。
解体に手間がかかるほど、コストは重くなる傾向があります。
そのほか、家屋以外の外構や樹木の撤去がある場合は、別途費用がかかります。
【土地の整備費用の目安】
- 砂利敷き:1㎡あたり約3,000円
- アスファルト舗装:1㎡あたり約5,000円
- コンクリート舗装:1㎡あたり約1万円
国土交通省の駐車場設置基準では、「普通乗用車1台分の目安は長さ6.0m × 幅2.5m=15㎡」です。
掘削や整地など施工費込みの目安ですので、地域や施工条件によっても変動しますが、おおよその費用相場として、下記のコストがかかる計算となります。
【土地の整備費用の目安(車1台分・15㎡の場合)】
- 砂利敷き:約4万5,000円
- アスファルト舗装:約7万5,000円
- コンクリート舗装:約15万円
また、駐車場として運用を始めた後も、下記のように物件の所有・維持に費用がかかります。
【毎年必要となる費用(税金)】
- 固定資産税:土地にかかる税金
- 都市計画税:都市整備のための税金
- 償却資産税:設備など、土地・建物以外の構築物にかかる税金
【その他費用】
- 清掃・雑草対策の費用
- 管理会社に委託する場合の管理料
- 保険料(施設賠償責任保険など)
これらを踏まえて、毎月の収入からランニングコストを差し引いた収支をシミュレーションすることが重要です。
コストに関する注意点
まず、デメリットでお伝えした建物を解体すると、固定資産税が増加する可能性がある点は考慮点として頭に入れておきましょう。
さらにもう一つ意識しておきたいのが「償却資産税」です。
償却資産税は、事業用に使われる設備や構築物に課される税金で、駐車場の舗装や外灯、フェンスなどに一定以上の費用をかけると課税対象になることがあります。
具体的には、アスファルトやコンクリート舗装も「構築物」と見なされ、外灯やフェンスなどと合わせて、150万円以上になると課税対象になるため注意が必要です。
つまり、駐車場の設備にお金をかけすぎると、ランニングコスト(税金)も増えるということ。
節税を意識するなら、この「150万円の壁」を目安に、設備費を調整するのも一つの方法です。
とはいえ、アスファルトやコンクリート舗装には、見た目がきれいで雑草対策やぬかるみ防止になり、日々の管理がしやすくなるといったメリットもあります。
さらに将来的に相続が発生した際、相続人にとっては「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例」が適用(相続税の評価額が50%減額)されて、節税につながる場合も。
こうした税負担やメリットを総合的に考え、費用対効果を踏まえて舗装の有無を検討することが大切です。
空き家を駐車場にするか悩んだら?

空き家を駐車場に活用するかどうか、デメリットやコストとの比較をした上でも、判断に迷う方はいるかもしれません。
駐車場活用の可否を見極めるために検討しておきたいポイントもまとめましたので、確認していきましょう。
ポイント①駐車場としての需要がある立地か
駐車場経営は、立地条件による需要の有無が成否を大きく左右します。
例えば、駅や商業施設が近い、住宅密集地で駐車場不足があるエリアなら高い需要が期待できるでしょう。
一方、周辺にすでに月極駐車場が多く空きが目立つ地域では、契約が取れず収益化が難しいかもしれません。
ポイント②初期費用と収益のバランスは取れるか
解体・整地・舗装などにはまとまった初期投資が必要です。
その費用を月極料金と契約台数でどれくらい回収できるか、シミュレーションしておくと安心です。
採算が合わない場合は、駐車場以外の、別の活用方法を検討する選択肢も出てきます。
ポイント③維持管理の手間に対応できるか
駐車場は建物管理より手間は少なめですが、雑草対策や清掃、トラブル対応といった業務は発生します。
こうした管理を自分で行うか、管理会社に委託するかも検討が必要です。
委託する場合は管理費用が発生するため、その分収益が減る点に注意しましょう。
ポイント④将来の土地活用予定はあるか
「数年後に建物を建てる予定がある」「子どもに相続させたい」など、将来の活用予定がある場合は、短期間の駐車場運営が有効です。
逆に、長期保有の必要がなければ、売却して現金化する選択肢が現実的かもしれません。
売却を検討する場合は、古い家をそのまま売るのか解体して売るのか、税制優遇を活用できるかなど、知っておきたいポイントがいくつかあります。
詳しくは「古い家を売るには?売却方法や注意点、利用できる税制優遇を解説!」をご覧ください。
判断に迷う場合は不動産会社に相談がおすすめ!
ここまで、駐車場にするかの判断軸をお伝えしましたが、自分だけでは判断が難しいこともあるでしょう。
その場合は、地域の事情に詳しい不動産会社に相談するのがおすすめです。
周辺の駐車場需要や月極料金の相場、将来的な活用の可能性まで、客観的な視点でアドバイスがもらえます。
実際、イエステーションに相談されたお客様の中にも、駐車場での活用を検討していた方がいらっしゃいます。
千葉県八街市のT・O様は、20年前に購入した土地を「駐車場として貸せないか」とご相談されました。
しかし、イエステーションが周辺状況を調査したところ、すでに近隣に複数の駐車場があり、空きが目立つ状況。
さらに、整地などの初期費用をかけても、収益を回収する見通しは厳しいとわかりました。
維持管理の負担も懸念材料だったため、最終的に買取サービスを活用し、早期売却を選択。
「雑草対策などの悩みから解放された」との声をいただきました。
▶お客様の声 「月極の駐車場として利用かそれとも手放すか」
イエステーションでは、地域密着ならではの情報力を活かし、駐車場活用と売却の両方を比較した上で最適な提案を行います。
また、早期現金化を希望する方には自社買取サービスも提供。
「駐車場にするか悩んでいる」という段階でも、ぜひお気軽にご相談ください!
空き家を駐車場にするかは、需要の有無など慎重に検討を
空き家を駐車場に活用すれば、安定した収入を得られる可能性があります。
ただし、立地の需要や初期費用、税負担の変化など、総合的に判断することが重要です。
駐車場経営は初期投資が比較的少なく、管理の手間も軽めですが、収益性が限定的であるとか、固定資産税が増える場合があるといったデメリットもあります。
解体費用や舗装費用などの初期投資、ランニングコスト、長期的な収益性を比較検討し、場合によっては売却も選択肢に入れるのが賢明です。
判断に迷ったときは、ぜひ不動産会社にご相談ください。
千葉エリアの不動産売却のお悩みは、「イエステーション」がサポートいたします。

いすみ店 前島 亮
売却は一生に何度もあるものではございません。
より安心していただけるよう、分かりやすい資料とわかりやすい説明を心がけております。
地元になくてはならない不動産屋としてクオリティの高いサービスをご提供してまいります。