不動産相続の手続きを解説!流れや費用、必要書類をご紹介
こんにちは。千葉エリアの不動産会社「イエステーション」前島です。
相続が発生したとき、亡くなった親や親族が土地や家などを所有していた場合は、不動産相続の手続きが必要です。
「どんな手続きが必要なのだろう。流れがわからないので不安…」
人生でそう何度も経験することではないので、費用や必要書類の準備にも不安を覚える方は多いでしょう。
そこで今回は、不動産相続の手続きについて解説します。
流れや費用、必要書類の紹介とあわせて、自分で手続きできるのかといった点もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
不動産相続の手続きの流れをチェック
不動産相続の手続きは、一般的に次の流れで進みます。
- 遺言書があるかどうかの確認
- 誰が相続するか(相続人)の確定
- 相続財産の内容の確認
- 遺産の分け方の話し合い(遺産分割協議)
- 不動産の名義変更(相続登記)
- 相続税の申告と納付
1つずつ解説していきます。
1.遺言書があるかどうかの確認
まずは、亡くなった人(被相続人)が遺言書を残しているかどうか確認します。
遺言書がない場合は相続人全員でどう遺産を分割するのかなどを話し合いますが、あとから遺言書が見つかると、遺言書の内容が優先されるため、はじめに遺言書の有無を確かめましょう。
2.誰が相続するか(相続人)の確定
続いては、相続人の確定です。
誰が相続するかを決めるには、戸籍謄本などの被相続人の親族関係がわかる書類を使います。
遺産分割の話し合いは相続人全員が前提ですので、相続する人に漏れがあると、分割の詳細が決まってもやり直しとなる点にご注意ください。
3.相続財産の内容の確認
次に、被相続人の所有財産の内容を確認します。
遺産の分割方法を決める際、相続財産の一覧を記した「財産目録」を作っておくと、話し合いがしやすいのでおすすめです。
被相続人に所有不動産があるかどうか確認する方法は、3つあります。
- 固定資産税納税通知書の確認
- 登記識別情報通知や登記済証があるかどうか確認
- 市区町村役場にて「名寄帳(固定資産課税台帳)」を閲覧
名寄帳とは、被相続人が市区町村内に所有する不動産のリストのことをいいます。
役場の窓口などで300円程度で閲覧可能です。
4.遺産の分け方の話し合い(遺産分割協議)
遺産の分割方法は、遺言書があればその内容に従いますが、残されていない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行います。
相続人全員で行わないと無効となるため、注意しましょう。
相続人の中で誰がどの財産を引き継ぐか決まったら、話し合いの内容をまとめて「遺産分割協議書」を作成します。
作成のポイントは次の4つです。
- 作成後、全員が署名・実印の押印をする
- 実印には印鑑証明書を各一通添付する
- 相続人全員で話し合った旨を書面に書く
- 不動産の情報は「登記事項証明書」の内容と一致させる
ちなみに、不動産の分割方法は次の4つです。
- 現物分割:相続人の1人が単独で物件そのものを相続する
- 代償分割:相続人の1人が物件を単独で相続し、ほかの相続人に代償金を払う
- 換価分割:物件を売却し、現金で相続人全員で分割する
- 共有分割:物件を相続人全員の共有物とする
話し合いで揉める心配がない場合は「現物分割」、代償金を支払う余裕があるなら「代償分割」で、売却可能なら「換価分割」と状況に合わせて選ぶことになります。
共有分割すれば分割を先送りにできますが、売却など不動産の処分をする際に、共有者全員の同意が必要になるなど面倒な点もあるため、なるべくほかの分割方法がおすすめです。
5.不動産の名義変更(相続登記)
不動産を引き継ぐことが決まった相続人は、不動産の名義を被相続人から変更(所有権の変更)する手続き「相続登記」が必要です。
必要書類を揃えて、不動産の所在地を管轄する法務局(登記所)に申請します。
登記に必要な書類は後ほどご紹介しますね。
2023年9月時点では相続人の任意で相続登記が行われていますが、2024年(令和6年)4月1日からは義務化されます。
登記をしないまま放置すると、10万円以下の過料を科される可能性があることを知っておきましょう。
6.相続税の申告と納付
相続した遺産の総額が基礎控除「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」を超えた場合は、相続税が課税されます。
超えない場合は、遺産総額がゼロと見なされるので、相続税は発生しません。
相続税の申告・納付には、相続人が被相続人の亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内です。
期限を過ぎたり、納付しなかったりすると、延滞税が発生するのでご注意ください。
不動産相続に関わる期限について詳しく知りたい方は「不動産相続の期限はいつまで?放置のリスクや手続きの流れも確認!」をぜひご参照くださいね。
相続不動産を売却して利益が発生したら確定申告も必要
不動産を相続しただけでは確定申告は不要です。
しかし、換価分割などで不動産を売却し、なおかつ売却益(売却代金から物件の取得費用や売却の費用を差し引いた金額)が発生した場合は「譲渡所得税」として税金を収める必要があります。
換価分割で相続した場合は、相続人全員がおのおの確定申告しなければいけません。
申告の期限は、売却した年の翌年2月16日から3月15日の間です。
期限に遅れたり、納付しなかったりすると、延滞税などが課されるのでご注意を。
そのほか、確定申告については「不動産を相続したら確定申告はどうする?必要な場合や申告方法を詳しく」にて解説しています。
詳しく知りたい方は、ぜひあわせて参考にしてください。
不動産相続の手続きに必要な書類や費用
不動産を相続された方は、相続登記が必要です。
登記の準備から申請手続き完了までには目安として、スムーズに進めば1カ月ほど、長ければ3カ月ほどかかります。
書類を法務局に提出してから登記完了まで(約1〜2週間)よりも、申請までの準備にかかるのが通常です。
例えば、必要書類の一つである戸籍謄本は、本籍地の役所に取りに行く以外に郵送請求もできますが、書類の発行まで2週間以上要する場合もあります。
登記に必要な書類やかかる費用の相場もお伝えしますので、スムーズに手続きできるように計画立てて動きましょう。
相続登記の手続きに必要な書類
相続登記には、基本として次の書類が必要です。
- 登記申請書
- 被相続人の戸籍謄本(または除籍謄本)
- 被相続人の住民票除票
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続する人の住民票
- 固定資産評価証明書
- 不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
- 委任状(司法書士に手続きを任せる場合)
戸籍謄本などを役所に郵送請求する場合は、別途次のようなものを用意する必要があります。
- 申請書
- 定額小為替証書(お釣りのないように準備)
- 返信用封筒(自分の住所を記入し、切手を貼る)
- 本人確認書類の写し
- 請求する書類の交付手数料
また、相続をどのように行うかによって、追加で必要となる書類もあります。
【法定相続分(民法で定められた相続割合)での相続の場合】
- 相続関係説明図
【遺産分割協議による相続の場合】
- 遺産分割協議書
- 相続関係説明図
- 相続人全員の印鑑証明(有効期限なし)
【遺言書による相続】
- 遺言書
遺言書が被相続人が自分で書いた遺言書「自筆証書遺言」の場合は、家庭裁判所での検認(相続人の立会いのもとで遺言書を開封すること)が必要です。
ただし、自筆証書遺言であっても法務局の「自筆証書遺言所保管制度」を利用した場合や、2人以上の公証人が立ち会って被相続人の口述を筆記する「公正証書遺言」の場合は、検認は必要ありません。
必要書類の取得場所や準備の際の注意点は「不動産の相続登記(名義変更)の必要書類は?書類をそろえる際の注意点も」で解説していますので、ぜひご参照ください。
不動産の相続手続きにかかる費用
相続不動産を登記する費用として、次のものの用意が必要です。
- 登録免許税
- 登記事項証明書の発行手数料
・登記所窓口の交付請求の場合:600円
・オンライン請求&郵送で受取の場合:500円
・オンライン請求&登記所などでの受取の場合:480円 - 戸籍謄本類の発行手数料
・戸籍謄本:1通450円
・住民票(除票含む):1通300円~400円程度
・固定資産評価証明書:1通300円
・印鑑証明書:1通300円 - 切手代や交通費
- 司法書士への報酬 など
登録免許税とは登記にかかる税金で、「申請する不動産の固定資産評価額の合計に×0.4%」で計算します。
固定資産評価額は、市町村から送られる固定資産税納税通知書で確認できます。
また、司法書士に登記を依頼した場合は、報酬の支払いが必要です。
費用相場は、5〜15万円程度となっています。
不動産相続の手続きは自分でもできる?
不動産相続の手続きは自分でもできますが、専門家である司法書士に任せるのが一般的となっています。
なぜなら、自分で手続きを進めるには、必要書類の収集が大変で、申請書などの作成には一定の法律知識が必要だからです。
書類に記載漏れや記入ミスなど不備があれば、法務局から差し替えや訂正を求められて、なかなかスムーズに進まない恐れもあります。
司法書士に依頼すると、報酬の支払いが必要ですが、以下のようなメリットがあるため、総合的に見て自分でやるより手間がないといえます。
- 手続きのために仕事を休む必要がない
- 書類の収集・作成をすべて請け負ってもらえる
- 相続に関する助言をもらえる
- 登記手続きがスムーズに進みやすい
上記のことから、次のような方は特に、司法書士にお任せするのがおすすめです。
- 平日は時間が取れない(法務局は土日祝日は営業していないため)
- 書類仕事が苦手である
- 相続人同士が不仲であるなど連絡を取りづらい状態である
- 相続関係が複雑である
- 受け継ぐ不動産が複数ある
- 不動産が遠方にある
相続については、普段は相続人同士の関係が良くてもこじれるケースも多いです。
司法書士など第三者の専門家が入ることで、相続人同士も不公平を感じにくいというメリットもありますよ。
不動産相続の手続きは煩雑なことも多く専門家に任せたほうが無難
不動産の相続は、「遺言書の確認」「相続人の確定」「相続財産の確認」「遺産分割協議」「相続登記」「相続税の申請・納付」の順で進んでいくのが一般的。
相続財産を売却して売却益が発生した場合は、確定申告が必要になる点も知っておきましょう。
相続登記の申請から完了までより、申請までの準備に時間がかかるので、事前に必要書類や費用相場の目安を知っておくとスムーズに進められます。
遺産相続のケースによっては、追加で書類が必要な点にご注意くださいね。
自分で手続きをするよりも手間や時間がかからないので、登記手続きは司法書士に依頼するのが一般的です。
手数料がかかりますが、煩雑な資料集めや書類作成、法務局への行き来が不要になるメリットがありますよ。
不動産の売却に悩んだときは、ぜひ不動産会社にご相談ください。
千葉エリアの不動産売却のお悩みは、「イエステーション」がサポートいたします!
多古町店 前島 亮
売却は一生に何度もあるものではございません。
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