空き家の処分方法を解説!処分するメリットや注意点、補助金も
こんにちは。千葉エリアの不動産会社「イエステーション」前島です。
近年、日本では空き家問題が深刻化しています。
空き家の放置には多くのリスクが発生するため、相続などで使う予定のない空き家を所有することになった場合には、早めの処分が重要です。
では、空き家はどのように処分すれば良いのでしょうか。
今回は、空き家の処分とそれに伴う注意点や費用について、わかりやすく解説します。
空き家を処分するメリット
日本では、全国的に空き家物件が増加しています。
「相続で一戸建ての実家を引き継いだけれど、自分は所有するマンションに住んでいて実家は空き家になっている」「遠方に住んでいて、家を長期間放置している」というような理由で、空き家の管理が難しくなっている人は少なくありません。
しかし、空き家の放置には、次のような大きなデメリットがあります。
- 建物のメンテナンスに費用がかかる
- 税金(固定資産税・都市計画税)がかかる
- 火災保険料がかかる
- 倒壊により近隣住民を危険に晒す恐れがある
- 衛生面の問題が起きたり犯罪に使われたりする恐れがある
まず一つとして、空き家の維持には費用がかかります。
さらに、土地に建物が建っている場合は、固定資産税と都市計画税に置いて軽減措置がありますが、所有者が空き家を放置してしまっているような場合には、自治体から「管理不全空き家」の指定を受け、最終的に固定資産税の控除を受けられなくなる可能性もあります。
空き家は、さまざまな点で、その地域の住宅に住む人々に迷惑や危険を与える可能性があることにも注意が必要です。
なかには、空き家が犯罪に利用されてしまい、地域の治安を脅かすケースもあります。
空き家を処分するメリットは、このような費用やリスクの問題を解決できること。
年数が経つほど空き家の資産価値は下がっていくため、不要な空き家は早めの処分を検討するのがおすすめです。
空き家を放置するリスクについては、「空き家を放置するとどうなる?リスクや対処法を解説」もぜひ参考にしてくださいね。
空き家を処分する方法
空き家を処分する代表的な方法としては、次の6つが挙げられます。
- 不動産会社を仲介して売却する
- 不動産会社に買い取りを依頼する
- 近隣住民に買い取ってもらう
- 空き家バンクに登録する
- 無償譲渡・寄付する
- 相続土地国庫帰属制度を活用する
各方法について、詳しくみていきましょう。
不動産会社を仲介して売却する
まず考えられるのが、不動産会社に仲介してもらい、空き家を売却する方法です。
「建物付きで売る」「建物を解体して更地の状態で売る」という2つの選択肢から対応を選ぶことになります。
建物の状態が良く立地にも優れているような場合には、建物の資産価値が認められ、建物付きで売れる可能性があります。
しかし、建物の資産価値が低い場合には、費用をかけての解体を検討しなければなりません。
解体したことで、売却しても収益が残らない、もしくはマイナスになってしまう可能性もあるため、まずは専門知識を持つ不動産会社の担当者に相談すると良いでしょう。
不動産会社に買取を依頼する
不動産会社に、売買の仲介ではなく空き家と土地自体を直接買取してもらうという方法もあります。
この方法では、時間をかけて買い手が現れるのを待つことなく、すぐに不動産会社と契約し、空き家を処分することが可能です。
わざわざ建物の解体をする必要もなく、仲介手数料も抑えられることから、空き家の処分にかかるコストや手間を削減することができます。
ただし、不動産会社に買い取ってもらう場合の価格は、通常の売却での相場に比べ低くなるのが一般的です。
そのため、収益は重視せず、空き家をなるべく早く処分したい、現金化したいという方にはおすすめの方法です。
空き家の買取については「空き家買取のメリット・デメリットを解説!相場や仲介との比較も」でも詳しくご紹介しています。
近隣住民に買い取ってもらう
空き家の処分では、近隣住民に建物と土地を買い取ってもらうことも検討しましょう。
近隣住民が「家を増築したい」「接道条件を改善したい」「親族が土地を探している」といった思いを持っている場合、建物や土地を購入してくれる可能性は高いです。
まずは、近隣に声をかけてみると良いでしょう。
空き家バンクに登録する
空き家バンクとは、自治体によって運営される、空き家の需要と供給に関するマッチング制度のこと。
売主は空き家情報を掲載でき、買主は空き家を探すことができるサイトが運営されています。
自分が所有する空き家を空き家バンクに登録しておけば、インターネットを通じて掲載情報を見た方が、購入を希望してくれる可能性があります。
無償譲渡・寄付する
第三者への無償譲渡や自治体・公益法人への寄付も、空き家を処分する方法の一つです。
無償譲渡については、不動産会社や空き家バンク、専用のマッチングサイトなどを利用することで、希望者を見つけることができます。
ただし法人に譲渡する場合には、売主にも所得税が発生する可能性があるので注意しましょう。
また、自治体や公益法人はどんな空き家・土地でも受け付けるわけではありません。
そのため、寄付による処分は狭き門といえますが、ニーズが合った場合に自治体や公益法人が寄付を受け入れる可能性はあります。
相続土地国庫帰属制度を活用する
相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地を国に引き渡すことができる特例制度のこと。
この制度を空き家処分に活用することは可能です。
ただし、制度活用の条件には、更地での引き渡しや相続・遺贈によって取得した土地であることなど、複数の要件があります。
また手続きには、手数料・負担金もかかります。
空き家を処分する際の注意点
空き家を処分する際には、次のポイントに注意するようにしましょう。
名義変更をする
相続等で空き家を取得した場合、その空き家は亡くなった人の名義になっています。
これを取得した人の名義に変えなければ、空き家を処分することはできません。
トラブルを避け、予定している処分をスムーズに進めるためにも、空き家取得時には速やかに相続登記を行い、名義を変更するようにしましょう。
土地の境界確定をする
土地の境界が確定していない空き家を所有している場合には、処分する前に境界確定を行う必要があります。
境界が確定していない物件は基本的に売ることができないためです。
この境界確定は、専門業者による測量によって行うため、一定金額の費用がかかります。
費用は、35~80万円程度が相場です。
建物を壊すと税の軽減はなくなる
土地に建物が建っている場合、固定資産税と都市計画税には軽減措置が取られます。
空き家の処分にあたって建物を解体した場合には、この税の軽減は受けられなくなり、土地が売れない場合は、高い固定資産税・都市計画税を納付し続けることになります。
空き家の処分にかかる費用と補助金
空き家の処分にあたって、建物を解体する場合には、解体費用がかかります。
木造住宅の場合であれば、解体費用の相場は3〜5万円/坪程度。
40坪の住宅を解体する場合であれば、120〜200万円程度の費用が発生します。
せっかく相続で財産を引き継いでも解体費用によって収支がマイナスになってしまったり、それを恐れて相続放棄を考えたりする人もいるでしょう。
しかし、空き家の処分については補助金や売却にあたっての税制優遇があります。
これらを利用できれば、空き家の処分費用の負担は軽減されます。
空き家の処分に関する補助金
千葉県の各市町村で整備されている、空き家の処分に関する補助金の例には、次のようなものがあります。
【危険空家除去工事等助成金(野田市)】
法律により特定空家に指定された建築物の除却にあたって、要件を満たす場合に、除却費用の一部を助成する制度
【市川市空家除却・活用事業補助制度(市川市)】
空家の活用または特定空家の解消促進のために必要な除却等の費用の一部を助成する制度
【木更津市空家リフォーム助成事業(木更津市)】
空き家の活用促進のため、特定施設として利活用する場合のリフォーム工事について、その工事費の一部を助成する制度
【長南町空家バンク登録促進事業補助金(長南町)】
空家バンクに登録した物件の売買が成立したときに、対象費用の一部を補助する制度
【空き家改修事業補助金(長柄町)】
空き家の購入者または賃貸者に改修費等の一部を助成する制度
このように、空き家関連の補助金は多数存在します。
ただし、市町村によって制度は異なるので、詳しくは各自治体へお問い合わせください。
また、空き家の売却については、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」と呼ばれる税制優遇制度を利用することができます。
この制度を利用した場合、売却による譲渡所得金額から最高3,000万円まで控除することが可能です。
この制度については、「空き家の売却に税制優遇はある?条件や注意点などを詳しく解説!」で詳細をご説明しています。
空き家の処分は最適な方法で!補助金・税優遇制度も活用を
多額の維持コストやリスクを避けるためにも、使用する予定のない空き家は、早めに処分をすることをおすすめします。
処分の方法として考えられるのは、売却や譲渡、寄付など。
不動産会社に仲介してもらう、空き家バンクを利用するなど、自分のニーズに合った方法での処分を検討しましょう。
また、空き家の処分にあたっては、先に名義変更や境界確定が必要になるケースもあります。
各種補助制度や税制優遇を利用できる場合もあるので、国や自治体の制度を上手に利用することで、処分費用の負担を軽減することができますよ。
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多古町店 前島 亮
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