シロアリ被害のある家を売却するには?注意点やスムーズに売る方法を解説
こんにちは。千葉エリアの不動産会社「イエステーション」前島です。
「家がシロアリ被害に遭ったが、売れるのだろうか?」
そんなお悩みをお持ちではありませんか?
結論から言いますと、売却自体は可能ですが、被害のない家と比べると買い手がつきづらく、売却が難しい側面もあります。
そこで今回のコラムでは、売却時の注意点や、売却方法を解説します。
スムーズに売るコツもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください!
シロアリ被害のある家を売却するために、前提としたい注意点
冒頭でお伝えしたように、シロアリ被害のある家は、通常の家に比べて売りにくい側面があります。
「シロアリ被害がある=家に不具合がある」というイメージから、購入者側にマイナスの印象を抱かせやすいからです。
売るために安くせざるを得ないケースも多いため、売却の相場も低めといえるでしょう。
とはいえ、シロアリ被害がある事実を隠してしまうと、買主とのトラブルに発展するおそれも。
売主には「契約不適合責任」という、売買契約の内容と売却物件の状態・状況が異なる場合に果たすべき責任があるからです。
購入後に買主にシロアリ被害を発見された場合に、「知っていたら購入しなかった」と主張されて、修繕費用や損害賠償、契約解除を請求される可能性があります。
シロアリ被害だけでなく、売却する土地や建物に不具合や問題などの「瑕疵(かし)」がある場合は、事実を隠して取引するのは絶対にNGです。
契約不適合責任については「売主が負う契約不適合責任とは?不動産取引前に確認しよう」で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご参照ください。
シロアリ被害のある家を売却する方法
では、シロアリ被害のある家は、どのように売却すれば良いのでしょうか。
売り方にはいくつか選択肢があり、それぞれメリット・デメリットがあるため、物件の様子や売主の「こう売りたい!」という希望によって向き不向きがあります。
パターン別の主な売却方法は、次の通りです。
- 被害が軽微で予算が限られている場合:シロアリ駆除後に売却
- 建物の価値を維持したい場合:被害を修繕した後に売却
- 被害が深刻で建物の修繕が難しい場合:更地にして売却
- 手間やコストを省きたい場合:「古家付き土地」として売却
- スピーディな売却を目指す場合:不動産会社へ直接売却(買取)
それぞれ解説していきましょう。
売却方法①シロアリ駆除後に売却
シロアリ被害が早期発見されるなど、物件への被害が軽微であったり、構造にほとんど影響がなかったりする場合は、シロアリを駆除後に売却する方法が選択肢として挙げられます。
売却に際し、予算をあまりかけたくない場合にも有効です。
自分で対処する方法もありますが、専門業者に依頼すれば、シロアリの巣を的確に特定し、駆除できる可能性が高く、買主に対して信頼性の高い駆除証明となるでしょう。
駆除費用の相場は、一般的に1坪あたり5,000〜1万円程度です。
売却方法②被害を修繕した後に売却
被害が修繕で対応可能で、「なるべく家の価値を維持したい」「売却価格を大きく下げたくない」という場合は、シロアリ駆除とあわせて被害の修繕を行うことをおすすめします。
なお、シロアリの駆除や被害の修繕にかかった費用は、確定申告にて業者発行の領収書などを添付すれば雑損控除の対象となり、節税につながりますよ。
売却方法③更地にして売却
建物の被害が深刻で、修繕が困難な場合は、更地にして売り出すほうが得策といえます。
シロアリ被害は家の問題ですから、解体してしまえば通常の物件として売却可能だからです。
更地にすることで、新築希望の人にも購入者の幅が広がり、よりスムーズに売れるでしょうし、立地条件が良ければ、高額売却も期待できるでしょう。
ただし、解体費用がかかりますので、資金の余裕があるかはもちろん、建物に本当に価値はないのか、といった点を不動産会社と相談することがおすすめします。
費用対効果を考慮し、慎重に進めることが大切です。
売却方法④「古家付き土地」として売却
修繕や解体に手間をかけたくない、コストをなるべく抑えたいという場合は、現状のまま売却する方法も選択肢の一つ。
建物への被害が軽微であれば、リフォーム・リノベーション需要のある買い手向けに売り出す方向性も検討してみましょう。
ただし、家の状態にあわせて大幅な値下げが必要になる可能性がある点、売却完了まで長期化しやすい点には注意が必要です。
売却方法⑤不動産会社へ直接売却(買取)
売却価格よりも「とにかく早く売りたい」と早期売却を優先される場合は、仲介ではなく、不動産会社に直接売却する「買取」を検討してみましょう。
買取であれば、仲介での売却価格よりも安くなる傾向はあるものの、修繕や解体なしにそのまま引き取ってもらえる可能性も高く、買い手を探す必要がないため、スピーディな売却が期待できます。
査定を依頼する際に、買取できるかを不動産会社に確認してみましょう。
シロアリ被害のある家をスムーズに売る方法
シロアリ被害のある家をスムーズに売るためには、買主とのトラブルを防ぐことと、なるべく安心して購入できるよう、買主に判断材料を提供することが大切です。
まず、シロアリの被害状況を徹底的に開示すれば、「知らなかった」というトラブルを防げます。
不動産会社から売買契約に先立ち、物件の現状を買主に伝える「物件状況等報告書」の記入を求められます。
具体的に住宅のどの部分に、どんな被害があるのかなど、所有者としてあなたが知る限りの被害情報をまとめて記載しましょう。
次に、駆除作業の証明が大切です。
駆除作業前後の写真などの資料を用意し、駆除業者による作業報告書も準備しましょう。
上記の情報を売買契約書にも明記し、必要に応じて免責事項も明確にすると、購入後のトラブル回避につながります。
買主に安心材料を提供するには?
買主に安心を与えるため、専門業者による駆除証明も有効です。
駆除業者による保証書の発行や、可能であれば定期的な点検サービスの付帯も検討しましょう。
修繕を行なった場合は、インスペクション(建物状況調査)を受けて、報告書を提供することで、修繕後の安全性を客観的に示せます。
必要に応じて、建築士による構造安全性の確認書を取得するのも良いでしょう。
インスペクションについては「インスペクションは中古住宅の売却時に必要?メリットや費用も解説」で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
シロアリ被害のある家の売却は建物や希望の売り方にあわせて検討!
シロアリ被害のある家を現状のまま売るという方法は、修繕や解体などのコストを要しないものの、なかなか買い手がつかず、売却が難しい側面があります。
とはいえ、被害がある事実を隠してしまうと、あとから契約不適合責任を問われ、損害賠償や契約解除を求められるおそれがあるため、絶対にNGです。
建物を売る場合は駆除や修繕を行う、被害が大きい場合は更地にして売る、早期売却を優先するなら不動産買取を検討してみる、といった状況に合わせた検討をおすすめします。
スムーズに売るコツとしては、トラブル防止策や、買主への安心材料の提供が大切です。
被害状況を「物件状況等報告書」に詳細に記載する、駆除証明を提示する、インスペクションを利用するといった方法をぜひ検討してみてくださいね!
シロアリ被害のある家の売却に悩んだときは、ぜひ不動産会社にご相談ください。
千葉エリアの不動産売却のお悩みは、「イエステーション」がサポートいたします。