住宅ローンのこと

転勤で住宅ローン控除は受けられる?単身赴任や賃貸の場合も解説

こんにちは。千葉エリアの不動産会社「イエステーション」前島です。

 

住宅ローン控除を受けている場合、「転勤になっても適用を受けられるのか」と気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

結論からいえば、一定の条件を満たすことで、一時的にマイホームを離れても控除を利用できる場合があります。

 

今回のコラムでは、転勤でも住宅ローン控除を受けられる場合について解説します。

必要な手続き方法もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

転勤辞令

 

 

住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除等)とは、ローンの利用で住まいを新築したり、取得したり増改築などをした場合に、各年末のローン残高の0.7%を所得税から控除できる制度のことです。

 

住宅ローン減税とも呼ばれます。

 

その年分の所得税から差し引きしても余る場合は、翌年の住民税から控除(上限9.75万円)が可能です。

 

適用の要件としては、たとえば一般的な中古住宅を取得した場合、主に下記のものがあります。

  • 支払い(償却)期間が10年以上の住宅ローンを借りている
  • 家を取得した日から6カ月以内に住み始め、年末まで継続して住んでいる
  • 合計所得金額が2,000万円以下である
  • 住宅の床面積が50㎡以上である など

 

控除期間は中古住宅の場合で10年間、新築・買取再販住宅の場合で最大13年間にわたります。

 

支払うべき税金額が減るため、住宅ローンの利用者にとって、賢く役立てたい税制優遇措置ですね。

 

参考:国土交通省「住宅ローン減税制度

※2024年4月時点の情報です。

 

 

転勤している間の住宅ローン控除はどうなる?

住宅ローン控除は、家の所有者が継続して居住していることが、適用要件の一つになっています。

 

では、「転勤して居住状態が続かないなら、控除は受けられなくなるのか」というと、必ずしもそうではありません。

 

転勤の場合でも、条件によっては適用を継続できたり、再適用できたりするケースがあります。

 

単身赴任で家族が残る場合:引き続いて控除利用が可能

所有者だけが単身赴任し、家族が自宅に残って生活を続ける場合は、所有者自身がローンを利用している家に住んでいなくても、控除を引き続き利用できます。

 

もちろん、転勤期間が終われば所有者が再び家に戻ってくるという前提条件はありますが、

転勤に合わせて住民票を移したとしても大丈夫です。

 

ただし注意点として、転勤先が国外の場合、継続的に制度を利用するには、平成28(2016)年4月1日以後に取得した住宅に限ります。

 

家族が転居先に一緒に移る場合:残存控除期間があれば再適用できる

転勤先へ家族も一緒に移動し、ローンを組んでいる家に誰も住んでいない場合は、控除は受けられません。

また、賃貸など人に貸している場合については、たとえ家に人が住んでいても、控除の対象外となります。

 

ただし転勤が終わり、ローンを組んでいる家に戻った時点で住宅ローン控除の適用期間が残っている場合には、再適用が受けられます。

 

先にお伝えしたとおり、一般的な中古住宅を取得した場合の控除期間は10年間、新築・買取再販住宅の場合は最大13年間です。

 

中古住宅を例に挙げると、たとえば2016年に居住を開始し、住宅ローン控除の適用を受けて3年間住み続けたとしましょう。

 

そして翌年2019年から家族と一緒に転勤し、3年間転勤先に住んだ場合、残りの適用期間「残存控除期間」は4年となります。

 

  • 2016/2017/2018:居住期間(3年)
  • 2019/2020/2021:転勤期間(3年)
  • 2022/2023/2024/2025:残存控除期間(4年)

 

もし、転勤期間中に家を誰かに賃貸していた場合は、戻ってきた翌年からになるので、残存控除期間は3年となります。

転勤している間は期間の経過がストップするのではなく、消費されている点にご注意くださいね。

 

また、単身赴任の場合と異なり、赴任先が国外でも適用要件は同じです。

 

参考:国税庁「転勤と住宅借入金等特別控除等

 

転勤時に家をどうするか迷っていらっしゃる方は、「転勤が決まったら持ち家はどうする?選択肢や判断ポイントを解説」で持ち家の取り扱い方法を詳しく解説しています。

ぜひ、あわせて参考にしてくださいね。

 

 

転勤から戻った後の住宅ローン控除の適用と手続き方法

先にお伝えしたとおり、所有者が単身赴任した際は継続して住宅ローン控除を利用できますし、所有者が家族と一緒に転居した際も、残存控除期間があれば再適用が可能です。

 

単身赴任の場合は、「家族が住み続け、転勤が終わり次第所有者が戻ってくるもの」として扱われるため、制度利用に関して特に手続きの必要はありません。

 

ここでは、家族と共に転居して戻ってきた際に、住宅ローン控除の再適用を受ける場合の手続きについてご紹介します。

 

再適用には、「転出前の手続き」と「再適用の最初の年の手続き」の2つが必要となります。

 

まずは転出前の手続きを忘れずに

住宅ローン控除の再適用を受けるには、現在の住まいを転出するまでに前もって手続きしておく必要があります。

 

「転勤でやむを得ず、控除を受けている家から離れます」という旨を知らせ、再適用の日に備えるための手続きです。

 

【必要書類】

  • 転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書

 

【添付書類(税務署長から交付があった場合のみ)】

  • 年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書
  • 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

 

上記の書類を揃え、住宅ローン控除を受けていた住宅に住まなくなる日までに、物件の所在地を所轄する税務署に提出しておきましょう。

 

再適用をする初年度の手続きを

そして、再適用を受けるため家に戻り、また住み始める最初の年分の手続きも必要です。

 

再適用が受けられるのは、再び住み始めた日が属する年からです。

転勤中賃貸に出していた場合は、住み始めた日が属する年の翌年が再適用の年になります。

 

単身赴任終了後は、再度確定申告が必要です。

再適用を受ける最初の年分の確定申告書に「住宅借入金等特別控除を受ける金額」に関する記載をし、下記の書類を確定申告時に添付して、納税地を所轄する税務署に提出しましょう。

 

【必要書類】

 

参考:国税庁「転勤と住宅借入金等特別控除等

 

 

転勤しても住宅ローン控除の利用の継続・再適用ができるケースがある

住宅ローン控除は、所有者が制度を利用する物件に住み続けていることが適用要件の一つとなっています。

 

しかし、勤務先の転任の命令など「やむを得ない事情」がある場合は、条件を満たすことで継続利用や再適用が可能になります。

 

まず、所有者が単身赴任しても、家族が引き続き居住していれば、とくに利用継続の手続きもなく、そのまま控除が利用可能です。

 

そして、家族を帯同して転勤する場合でも、一定の手続きを行い、住宅ローンの控除期間が残っていれば再適用が可能です。

 

再適用の手続きは、再適用を受ける最初の年に確定申告で所定の書類を添付するだけでなく、転出前にあらかじめ、税務署に必要書類の提出が必要であることにご注意くださいね。

 

不動産売却に悩んだときは、ぜひ不動産会社にご相談ください。

千葉エリアの不動産売却のお悩みは、「イエステーション」がサポートいたします。

 

転勤で住宅ローン控除は受けられる?単身赴任や賃貸の場合も解説

多古町店 前島 亮

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