古家付き土地売却の注意点とは?失敗を避ける基本を解説
こんにちは。千葉エリアの不動産会社「イエステーション」前島です。
「古家付き土地を売却したいけれど、どんな点に注意すればいいのだろう?」
「解体したほうがいいのか、そのまま売るべきか迷っている…」
このようなお悩みはありませんか?
結論から言いますと、古家付き土地の売却自体は可能ですが、通常の土地売却とは異なる注意点があります。
再建築の可否や契約条件の整理などを事前に押さえておかないと、価格交渉やトラブルにつながることもあるからです。
今回は、古家付き土地の売却の基本と具体的な注意点をわかりやすく解説します。
古家付き土地の売却の基本から解説!
古家付き土地とは、築年数が古く、建物としての市場価値がほとんど認められない住宅が建っている土地を指します。
そのため、売却方法は大きく次の3つに分かれます。
- 古家付きのまま売却する
- 建物を解体して更地にしてから売却する
- 不動産会社に直接売却する(買取)
建物をどのように扱うかによって、売却期間や価格の決まり方が変わります。
古家付き土地の売却期間は通常の土地より長め
古家付き土地の売却期間は、一般的に6カ月〜1年程度が目安です。
通常の土地であれば3〜6カ月程度で成約するケースもありますが、古家付き土地は購入希望者が限定されやすいため、やや時間がかかる傾向があります。
例えば、古家を残したまま売る場合、新築を希望する買主にとっては解体費用や手続きが負担となります。
さらに、再建築の可否など確認事項が多いことも売却期間に影響します。
売却方法によって価格の決まり方が変わる
古家付き土地の価格は、選択する売却方法によって考え方が異なります。
①古家付きのまま売却する場合(仲介)
建物を解体せずに売却する場合、価格は「土地価格 − 解体費用相当額」を基準に算出することが一般的です。
木造住宅の解体費用は地域差がありますが、1坪あたり4〜5万円前後が目安とされています。
そのため、例えば30坪であれば120〜150万円程度が想定されます。
②解体して更地にしてから売却する場合
売却前に売主が解体費用を負担して更地にするため、土地の価格はその解体費用を回収できる価格を設定する必要があるでしょう。
更地にして売却すると、新築を希望する買主にとって検討しやすくなります。
家の解体費用について詳しくは「空き家の解体費用の目安は?解体のメリットや費用の抑え方もチェック」で解説しています。
③不動産会社に直接売却する場合(買取)
不動産会社が直接買い取る場合は、再販価格から解体費用・リフォーム費用・利益などを差し引いた金額で提示されるため、仲介より2〜4割ほど価格が低くなる傾向があります。
一方で、売却までの期間は短く、早期現金化が可能というメリットがあります。
仲介と買取の違いは「不動産を売却するとき「買取」と「仲介」はどちらがいい?」で詳しく解説しています。
古家付き土地の売却ならではの注意点も確認
古家付き土地の売却では、建物が存在することによる特有のリスクを理解しておくことが重要です。
事前準備が不十分なまま進めると、価格交渉や契約後のトラブルにつながる可能性があります。
2025年4月の法改正で再建築確認がより重要に
特に注意が必要なのが、2025年4月の建築基準法改正(4号特例の縮小)です。
これまで木造2階建て以下の住宅などは、建築確認申請時の構造審査の一部が省略されていました。
しかし改正後は「新2号建築物」として扱われ、原則として構造・防火の詳細審査が必要になります。
今まで不要だった再建築のための確認や手続きが強化されることで、買主は「古家を壊して、本当に建て替えが可能なのか」をより慎重に確認するようになるでしょう。
売主は「問題なく建て替えが可能である」と証明するために、次の準備が重要です。
- 建築確認済証や検査済証の有無を確認する
- 再建築の可否を事前に調査する
- 用途地域や接道条件を整理して説明できる状態にする
売却をスムーズに進めるためにも、再建築の可否を明確にしておきましょう。
残置物は必ず事前に処分する
古家付き土地を売却する際は、建物内の家具や家電、生活ゴミなどの残置物を事前に処分しておきましょう。
残置物があるままだと、買主に追加の処分費用や手間が発生するため、値下げ交渉の材料になりやすくなります。
また、契約後に「想定より処分費用が高い」とトラブルになるケースもあります。
家庭ゴミは一般廃棄物に該当するため、解体業者では処分できません。
自治体のルールに従い、売主が責任をもって処分する必要があります。
内覧時の印象を良くするためにも、建物内はできる限り空の状態にしておくことが望ましいです。
契約不適合責任に備える必要がある
古家付き土地の売却では、契約不適合責任への備えが重要です。
契約不適合責任とは、引き渡した不動産が契約内容に適合していない場合に、売主が責任を負う制度です。
古家には雨漏り、シロアリ被害、地中埋設物など、目に見えにくい不具合が潜んでいる可能性があり、売却後に不具合が発覚した場合、買主に契約解除や損害賠償を求められるおそれがあります。
こうしたリスクを抑えるためには、次の対策が重要です。
- 現状有姿での引き渡し特約を設定する(契約不適合責任を負わない)
- 把握している不具合は必ず事前に告知する
売却にかかる費用と税金も確認
古家付き土地の売却では、次の費用が発生します。
- 仲介手数料(不動産会社への成功報酬)
- 測量費用(測量が必要な場合)
- 登記費用(住宅ローン完済時の抵当権抹消登記など)
- 印紙税(売買契約書作成時)
- 譲渡所得税(売却益が発生した場合)
これらのうち譲渡所得税は、条件により「マイホームを売ったときの特例」を適用し、税金を軽減できる可能性があります。
これは、売却益から最大3,000万円を差し引いた上で課税される制度です。
ただし、古家が居住用財産に該当すること、建物を解体した場合は、解体後1年以内に売却することなど、一定の要件を満たす必要があります。
特例の適用可否は個別事情によって異なるため、事前に確認することが重要です。
譲渡所得税の計算方法や税率については「不動産売却の『譲渡所得税』とは?計算方法や税率をチェック」で詳しく解説しています。
古家売却時の税制優遇や注意点は「古い家を売るには?売却方法や注意点、利用できる税制優遇を解説!」もあわせてご覧ください。
古家付き土地ではなく更地にしたほうが良いケースは?
古家付きのまま売却するか、解体して更地にするかは、売却戦略に直結する重要な判断です。
「売却スピードを重視する場合」や「建物の状態が著しく悪い場合」は、更地にしてから売却したほうが有利になる可能性があります。
ここでは、更地化を検討したほうが良い具体的なケースを整理します。
①早期売却を希望する場合
できるだけ早く売却したい場合は、更地にしておくほうが成約までの期間を短縮できる可能性があります。
新築を前提とする買主にとって、建物が残っている土地は「解体の手間と費用」が追加で発生するため、購入判断が遅れやすくなります。
一方、更地であれば、次のような理由から、購入検討が進みやすくなります。
- 建築プランをすぐに検討できる
- 着工までの流れが明確になる
- 土地の形状や日当たりを確認しやすい
売却までのスピードを優先するなら、更地化は有効な選択肢といえるでしょう。
②高値での売却を目指す場合
売却価格をできるだけ維持したい場合も、更地のほうが有利に働くことがあります。
古家付き土地の場合、買主側から、想定される解体費用を差し引く価格交渉を求められるケースも少なくありません。
一方、更地にしておけば、次のようなメリットがあります。
- 解体費用分の値引き交渉を受けにくい
- 事業用地としても検討対象になりやすい
- 建物の印象に左右されない
立地条件が良好なエリアでは、更地のほうが市場評価を受けやすい場合があります。
③建物の老朽化が著しい場合
建物の状態が極端に悪い場合は、古家を残しておくことで売却の障害になることがあります。
具体的には、下記のようなケースです。
- 倒壊の危険性がある
- 雨漏りやシロアリ被害が進行している
- 再利用が現実的でない構造である
老朽化が進んだ建物は、内見時の印象を悪化させるだけでなく、買主の不安材料にもなります。
その場合は、解体して土地の価値を明確に示したほうが、結果的に売却活動がスムーズになることがあります。
ただし、更地化にも注意点がある
更地にすれば必ず有利になるとは限らず、下記のデメリットも存在します。
- 解体費用が先行して発生する
- 住宅用地の固定資産税軽減が外れる
- 解体後に一定期間売れないと税負担が増える
特に、住宅用地の特例を受けていた場合、更地にすることで、固定資産税額が増加します(地方税法第349条)。
また、先ほど紹介した「マイホームを売ったときの特例」を適用する場合も、解体から1年以内に売却する必要があります。
古家付きで売るか、それとも解体するかの判断に迷う場合は、不動産会社に下記を比較提示してもらうと、合理的な判断がしやすくなります。
- 解体した場合の想定価格
- 古家付きのままの想定価格
- 買取の場合の価格
「早く売りたいのか」「価格を優先するのか」「資金に余裕があるのか」といった条件を整理した上で判断することが重要です。
更地にするかどうかの判断材料として、ぜひ下記のコラムもご参考にしてください。
「古家付き土地」と「更地渡し」のメリット・デメリットを詳しく解説!
古家付き土地売却の注意点を押さえて安心取引を実現
古家付き土地の売却では、通常の土地売却とは異なり、建物の状態や再建築の可否、残置物の処分、契約不適合責任への備えなど、事前に確認すべき事項が多くあります。
特に2025年4月からの4号特例の縮小によって、建て替えに関する確認や説明がより重要になっており、契約書での特約設定も含めた慎重な準備が求められます。
また、古家を残すか更地にするかは、売却時期や希望価格、建物の状態を総合的に判断して決めることが大切です。
判断に迷う場合は、不動産会社に想定価格を提示してもらうなど、アドバイスを活用しながら検討することをおすすめします。
不動産の売却に悩んだときは、ぜひ不動産会社にご相談ください。
千葉エリアの不動産売却のお悩みは、「イエステーション」がサポートいたします。
いすみ店 前島 亮
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