不動産売却価格の決め方指南!手順や注意点もご紹介
こんにちは。千葉エリアの不動産会社「イエステーション」前島です。
「不動産の価格をどう決めれば良いかわからない」
「適正な価格設定の方法が知りたい」
そんなお悩みをお持ちではありませんか?
高すぎれば売れ残りのリスクが、安すぎれば損をしてしまう可能性もあり、不動産価格の決め方は「売却成功のカギ」といっても過言ではありません。
そこで今回のコラムでは、不動産価格を決める上で知っておきたい基本的な考え方や、適正価格の判断基準、実際の手順、注意すべきポイントまでをわかりやすく解説します。

不動産売却価格の決め方は?適正価格の判断方法も
不動産の売却価格は、法的な制限があるわけではなく、あくまで「いくらで売りたいか」をもとに、売主が自由に希望価格を決められます。
とはいえ、好きな価格をつければ良いというわけではありません。
高すぎればなかなか売れず、また、安すぎる価格では本来得られたはずの利益を失ってしまうことになります。
こうした事態を避けるには「適正価格」での売却を目指すことが重要です。
不動産売却の適正価格とは?
適正価格とは、その物件が無理なく売れると見込まれる価格帯のことを指します。
相場とかけ離れておらず、買い手のニーズに合致した価格こそが、客観的に見て「妥当な価格」です。
公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2024年度)」によると、成約までの平均日数は、中古マンションで84. 3日、中古戸建住宅で99. 4日、土地で90. 0日。
つまり、「3カ月程度で売れる価格」が、その物件にとっての適正価格の目安といえるでしょう。
「売出価格」と「成約価格」の違いも確認
売却する価格の検討にあたっては、「売出価格」と「成約価格」の違いを理解しておくことも大切です。
- 売出価格:売主が最初に設定する希望価格で、市場に出すときの金額
- 成約価格:実際に売買契約が成立した金額
多くの場合、売出価格と成約価格には差が生じます。
これは、交渉による値引きや、売却期間の経過に伴う価格調整が行われるためで、特に戸建てや土地の場合、価格の差が大きくなる傾向があります。
こうした前提を踏まえれば、売出価格の設定は「適正価格を参考にして、成約価格との差をできるだけ小さくする」ことを目指すべきだといえますね。
とはいえ、不動産の価格はエリア相場、住宅ローンの状況、不動産会社の査定など、複数の要素が絡むため、「その適正価格をどう判断するか」は、多くの方にとって難しい問題でしょう。
不動産売却価格を決めていく手順を詳しく紹介
適正な売却価格を見極めるには、「いくらで売りたいか」ではなく、「市場で受け入れられる価格はどこか」を探ることが大切です。
ここでは、価格決定までに踏むべき3つのステップを紹介します。
それぞれの目的を理解しながら進めていくことで、現実的かつ納得のいく価格設定がしやすくなります。
ステップ1:類似物件の相場をリサーチする
まず、「このエリア・この条件の物件は、だいたいどれくらいの価格で取引されているのか」を把握することから始めましょう。
これは、市場の相場観をつかむためのステップです。
不動産ポータルサイトを使って、近隣エリアで売り出されている似た物件を検索し、価格帯をチェックします。
【相場リサーチのポイント】
- 条件を細かく絞りすぎず、似た物件を幅広くチェックする
- 価格帯で検索されることを意識し、買い手の目線で比較する
- 不自然に高い・安い価格は外して、中央値を意識する
また、下記のような情報源も活用すると、より信頼性の高いデータに基づいた判断が可能です。
【主な相場調査のツール】
- 不動産情報ライブラリ:土地・建物の実際の取引価格を検索できる
- REINS Market Information(レインズ):マンションや戸建ての成約価格を確認可能
- 新聞折り込みチラシ・不動産店頭情報:地域密着型の価格感をつかむのに有効
十分なリサーチを行うことで、「市場がどの価格を受け入れているか」が見えてきます。
土地相場の調べ方については、「土地売却の相場の調べ方5種類を解説!注意点もチェック」も参考にしてみてください。
ステップ2:住宅ローン残債を確認する
次に確認しておきたいのが、「自分の物件はいくら以上で売らないと困るのか」というラインです。
ここでは、売却における最低価格の目安を見極めます。
住宅ローンが残っている場合は、現在の残債額を金融機関で確認しましょう。
売却代金でローンを一括返済する必要があるため、この金額が「絶対に下回れないライン」となります。
仮に査定額が残債を下回る「オーバーローン」の場合、売却後に自己資金で不足分を補わないといけません。
また、ローン完済後に手元資金を残したい場合は、その分も加味して価格設定を考える必要があります。
ステップ3:不動産会社に査定を依頼する
最後は、第三者の視点で価格の妥当性を確認する段階です。
信頼できる不動産会社に査定を依頼し、自分の調査結果と照らし合わせて検討しましょう。
このときは、必ず複数の会社に依頼することをおすすめします。
1社だけでは、その金額が高すぎるのか・安すぎるのか判断できないからです。
【査定依頼のポイント】
- 査定価格の根拠を具体的に確認する(事例・市場動向など)
- 極端に高い/低い査定は慎重に検討する
- 担当者の対応力や説明のわかりやすさも評価の基準にする
なお、査定価格はあくまで「売れそうな価格の予測値」です。
成約価格とは異なり、買主の反応や交渉状況によって上下することがあります。
最終的な価格設定では、自分で調べた相場感・残債状況・査定結果を総合的に見て判断することが大切です。
ステップ4:価格の見直しタイミングを見極める
売却価格は一度決めたら終わりではなく、実際に市場に出してからの反応を見て柔軟に調整することも重要です。
以下のような状況が見られる場合は、価格の見直しを検討するタイミングです。
- 売り出し後、問い合わせや反響が得られない
- 売り出しから3カ月が経過しても買い手が見つからない
反響が少ない場合、価格が相場と乖離している可能性があります。
一定期間経っても動きがないときは、段階的な値下げなど、販売戦略の再検討が必要です。
値下げのタイミングについて、詳しくは「不動産売却で値下げをするタイミングはいつ?注意点も確認」でお伝えしています。
不動産売却価格を決めるときの注意点もチェック

不動産価格の設定では、「高く売りたい」という思いが先行しがちですが、売れ残りや値下げリスクを防ぐためには注意すべき点があります。
注意点①:相場とかけ離れた価格設定は避ける
高すぎる価格は以下のリスクを招きやすいので、相場を大幅に上回る価格設定は避けてください。
- 売れ残りによる印象悪化:「何か問題がある物件では?」と疑われる
- 問い合わせ件数の減少:検索対象から除外されやすくなる
- 最終的な大幅値下げ:長期化した結果、想定以上の値下げが必要になる
特に戸建ての場合は査定価格にバラつきが生じやすいため、極端に高い査定価格の採用は慎重に判断しましょう。
注意点②:段階的な値下げ戦略は慎重に
「まずは高めで出して、反応がなければ下げていこう」という戦略は、必ずしも効果的ではありません。
市場に出てすぐが最も注目を集めるタイミングであり、反響が薄いと初期印象が悪くなりがちです。
また、長期間売れ残ることで「なぜ売れないのか?」という疑念が強まり、売却活動が難航することもあります。
時間に余裕がある場合は例外ですが、基本的には「3カ月以内に売れる価格」を最初から設定するのが理想です。
注意点③:最低売却価格をあらかじめ決めておく
買主との交渉では、ある程度の価格調整を求められるのが一般的です。
そのため、あらかじめ「ここまでなら値引きに応じる」という最低ライン(最低売却価格)を決めておくと、交渉時に迷わず対応できます。
最低売却価格は、残ローンの金額や資金計画を踏まえて現実的に設定しましょう。
注意点④:心理的に響く価格設定を意識する
不動産価格の設定では、数字の印象によって買主の感じ方が大きく変わります。
特に、価格の「一番大きな位」を下げることで、お得感を演出できるでしょう。
【価格設定の例】
- 5,000万円 → 4,980万円
- 3,000万円 → 2,980万円
このように、ほんの数十万円の差でも、買主の検索条件に引っかかりやすくなったり、心理的に「安く感じる」効果があるのです。
また、ポータルサイトでの検索も「〜4,000万円」「〜5,000万円」などのキリのよい価格帯で絞り込むケースが多いため、価格帯の節目を意識した設定は、買い手の目に留まる機会の最大化にもつながります。
不動産価格の決め方を押さえて、納得の売却を実現しよう
不動産売却を成功させるには、「相場に合った適正価格」で売り出すことが第一歩です。
売出価格は自由に設定できますが、実際に売れる「成約価格」とは異なり、相場とかけ離れていると売却が長引いてしまいます。
まずは周辺相場を調べ、自分の物件がどの価格帯で売れそうかを確認しましょう。
その上で、住宅ローンの残債額や資金計画を踏まえた「売却最低ライン」を整理し、最終的には複数社からの査定を参考に判断していくのが基本です。
売却価格の決定には専門知識が求められるため、不安な場合はプロのサポートを受けるのが安心です。
不動産の売却に悩んだときは、ぜひ不動産会社にご相談ください。
千葉エリアの不動産売却のお悩みは、「イエステーション」がサポートいたします。

いすみ店 前島 亮
売却は一生に何度もあるものではございません。
より安心していただけるよう、分かりやすい資料とわかりやすい説明を心がけております。
地元になくてはならない不動産屋としてクオリティの高いサービスをご提供してまいります。